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出掛ける前からジャズ気分:守屋純子オーケストラ2014年定期公演

富澤えいち音楽ライター/ジャズ評論家

●公演概要

2月21日(金) 開場 18:00/開演 19:00

会場:渋谷区文化総合センター大和田 さくらホール

出演:守屋純子(ピアノ、アレンジ)、納浩一(ベース)、広瀬潤次(ドラム)、岡部洋一(パーカッション)、近藤和彦(アルト・サックス、ソプラノ・サックス、フルート)、緑川英徳(アルト・サックス)、岡崎正典(テナー・サックス)、アンディー・ウルフ(テナー・サックス)、宮本大路 (バリトン・サックス)、エリック・ミヤシロ(トランペット)、木幡光邦(トランペット)、奥村晶(トランペット)、岡崎好朗(トランペット)、片岡雄三(トロンボーン)、佐藤春樹(トロンボーン)、東條あづさ(トロンボーン)、山城純子(バス・トロンボーン)

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守屋純子オーケストラ2014年定期公演/Jazz Meets Rachmaninoff

2013年10月に<ラフマニノフピアノ協奏曲第二番>全楽章をオーケストラと演奏する、という貴重な機会をいただきました。その圧倒的に美しい旋律から、映画やドラマ音楽様々な形で、ポピュラー化されている名曲で、浅田真央さんが今期のフィギュアスケートのプログラムに使用することでも話題になっています。弾けば弾くほど新たな発見がある、この曲からインスパイアされた思いを、素晴らしいメンバーの力を借りて、ビッグバンドで豪華に表現したいと思います。もちろん、その他のオリジナルや、ジャズ・スタンダード作品の新たなアレンジにも挑戦します。さくらホールは、音響効果の素晴らしい新しいホールで、昨年も大好評でした。ここにしかない音との出会い、どうかご期待ください。

出典:守屋純子オーケストラ2014年定期公演 |Junko Moriya Official Website

守屋純子オーケストラ『イントゥ・ザ・ブライト・デケイド』
守屋純子オーケストラ『イントゥ・ザ・ブライト・デケイド』

2000年から本格始動した守屋純子率いるビッグ・バンドによるラフマニノフとジャズの融合に挑戦するホール・コンサートです。

世界的に見ても、ビッグ・バンドの数は限られています。大人数の個性的なジャズ・ミュージシャンをまとめあげ、経済的にも成立するように楽団を運営するのは至難の業であることは、容易に想像がつきます。

リーダーにはそれだけの才能と人望が要求されるわけです。そのうえに、こぢんまりとまとまるだけではダメだという、ジャズならではの個性の創出までもが求められます。

守屋純子は、世界のビッグ・バンド・シーンでも認められる個性的なリーダーです。オーケストレーション・アレンジはリーダーの“視点”とも言えるもので、彼女が曲に向き合う“視点”の特異さが評価されていると言えるでしょう。

守屋純子オーケストラのサウンドの特徴は、ひと言に要約すれば“ポップな仮面をつけた数学者”ではないかと、ボクは思っています。ガッチリと譜面を書き込むことはビッグ・バンドには必要とされるわけですが、そこにはフィーチャーリング・ミュージシャンが暴れる“のりしろ”が十分にとられていて、しかもメンバーが方向性を見失わず、なおかつ演奏者と観衆の両方の興味を失わないようなハイ・レヴェルなトラップがあちこちに仕組まれた“方程式を解くような楽しみ”がある――。

そんな彼女の手にかかってラフマニノフはどのような表情を見せてくれるのでしょうか。

♪守屋純子オーケストラ/Junko Moriya Orchstra "A Touch Of Mingus"

では、行ってきます!

音楽ライター/ジャズ評論家

東京生まれ。学生時代に専門誌「ジャズライフ」などでライター活動を開始、ミュージシャンのインタビューやライヴ取材に明け暮れる。専門誌以外にもファッション誌や一般情報誌のジャズ企画で構成や執筆を担当するなど、トレンドとしてのジャズの紹介や分析にも数多く関わる。2004年『ジャズを読む事典』(NHK出版生活人新書)、2012年『頑張らないジャズの聴き方』(ヤマハミュージックメディア)、を上梓。2012年からYahoo!ニュース個人のオーサーとして記事を提供中。2022年文庫版『ジャズの聴き方を見つける本』(ヤマハミュージックHD)。

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