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外国人観光客はまだ気づいていない!「静かな時間を過ごせる温泉地」5選

高橋一喜温泉ライター/編集者

インバウンドが絶好調な昨今、温泉地でも外国人観光客の姿を多くみるようになった。地方の温泉地であっても、「こんなところまで外国人観光客が!」と驚かされることもある。

外国人に日本の文化である温泉の魅力を知ってもらえるのは、個人的には大変うれしい。「ようこそ日本の温泉へ!」と声を大にして言いたい。

だが、筆者のようにひとり旅の静かな時間を求めるに人は、外国人に限らず観光客が多い温泉地は避けたいときもある。

そこで、まだ外国人観光客には気づかれていないけれど、源泉も風情も魅力的な静かな温泉地を5カ所紹介したい。

日奈久温泉(熊本県)

昭和レトロな雰囲気が魅力の温泉街には、15軒ほどの旅館と2軒の共同浴場、日帰り専門の温泉もある。もともと湯治場の性格をもつ温泉地なので、華やかさはないが、静かで落ち着いた湯の街情緒を味わいたい人にはおすすめ。入浴のおすすめは、旅館幸ヶ丘。現在は日帰り入浴のみだが、硫黄が香る源泉が大量に投入されており、気持ちいい。

小野川温泉(山形県)

米沢市の奥座敷として栄えてきた温泉地。地名が小野小町に由来するほど歴史も深い。温泉街の端から端まで5分ほどで歩ける規模であるが、旅館や土産物店が並び、湯の街らしい風情が漂う。名物のラジウム玉子や温泉まんじゅうの食べ歩きも楽しい。中心に位置する共同浴場「尼湯」は、アツアツの湯が源泉かけ流し。塩分のきいたよく温まる湯である。

別所温泉(長野県)

「信州の鎌倉」と呼ばれる温泉地で、国宝の安楽寺八角三重塔をはじめ、古寺古塔が多い。本家の鎌倉に比べれば規模は小さいが、歴史を感じられるスポットが点在する。温泉街には和風旅館や共同浴場があり、情緒ある景観も楽しめる。なお、近くには田沢温泉や沓掛温泉といったぬる湯の名湯があり、いずれも静かな環境が魅力だ。

俵山温泉(山口県)

長門市にある素朴な温泉地。同じ市内にある長門湯本温泉は近年再開発が進んで注目されているが、俵山温泉は昔ながらの湯治場風情が今も色濃く残る。もともと湯治文化が根づいており、各宿に滞在する宿泊客は街の中心にある共同浴場に通うのが俵山のスタイル。浴衣に着替えて宿から外湯まで小道を歩くのも風情がある。ひとり旅が似合う温泉地だ。

川渡温泉(宮城県)

鳴子温泉郷の一角を占める川渡温泉は田畑に囲まれたのどかな温泉地で、湯治場の素朴な風情が魅力。散歩をしていると、日本人なら「なぜかなつかしい」と思える風景に出合える。観光地として人気の高い鳴子温泉ほど、日本人の観光客も多くなく、静かなが時間が流れている。リーズナブルな湯治宿も健在で、ひとり旅や湯治の初心者にもおすすめ。うぐいす色の濁り湯も気持ちいい。

温泉ライター/編集者

温泉好きが高じて、会社を辞めて日本一周3016湯をめぐる旅を敢行。これまで入浴した温泉は3800超。ぬる湯とモール泉をこよなく愛する。気軽なひとり温泉旅(ソロ温泉)と温泉地でのワーケーションを好む。著書に『日本一周3016湯』『絶景温泉100』(幻冬舎)、『ソロ温泉』(インプレス)などがある。『マツコの知らない世界』(紅葉温泉の世界)のほか、『有吉ゼミ』『ヒルナンデス!』『マツコ&有吉かりそめ天国』『ミヤネ屋』などメディア出演多数。2021年に東京から札幌に移住。

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