「シニアが抱く若年層の姿」「若年層が自覚する姿」のギャップの実情(2022年版)
シニアが抱く若年層に対するイメージと、若年層自身が自覚している性格や特徴には、どのような差異があるのだろうか。大和ネクスト銀行が2022年1月18日に発表した「『シニアが考える若年層イメージ』と『若年層の実態』に関する調査2022」(※)の内容から確認する。
シニアが抱く若年層のイメージと、若年層自身が抱く自分のイメージとの間には、差異があるのか否か。まずはシニアが抱く若年層のイメージを確認すると、トップには「好奇心旺盛」がついた。34.4%と1/3を超える。
多様な事柄に興味を抱き、積極的に手掛けようとする姿を見聞きするに、好奇心が旺盛なのだろうとの印象を抱くのは当然至極のこと。また、回答者のシニア自身と比較して、若年層の好奇心の強さに憧れを抱いている面もあるのかもしれない。続いてほぼ同率の33.4%で「行動的」がつくが、単純に色々なことを積極的にやっていく行動力を見聞きした結果の回答なのに加え、「好奇心旺盛」同様に、回答者のシニアと比較して行動的だ、との意味合いも少なからずあるものと考えられる。次の「前向き・ポジティブ」も半ば「行動的」と同じ。
上位3項目、さらには「独創的」「大胆」「社交的」などがどちらかと言えば積極的な動きを指し示しているのに対し、「素直」「優しい」などは低めの値となっているのが特徴的。また「責任感が強い」は3.0%にとどまっており、シニアの多くは若年層が責任感が強いとは思っていないようだ。
一方で若年層自身が自覚している、性格や特徴を答えてもらったのが次のグラフ。
トップは「負けず嫌い」の31.4%、次いで「優しい」の28.8%、さらに「責任感が強い」の24.8%が続く。「家族思い」は23.6%、「素直」は23.4%。
シニアが若年層に抱くイメージと若年層が自覚している性格・特徴を比較すると、シニアの「好奇心旺盛」「行動的」「前向き・ポジティブ」は、若年層ではそれぞれ15.4%・12.4%・14.4%でしかなく、下位層にとどまっている。他方、若年層自身が自分の性格・特徴として上位に挙げている「負けず嫌い」「優しい」「責任感が強い」は、シニアではそれぞれ9.4%・12.4%・3.0%でしかない。また若年層自身の「我慢強い」「礼儀正しい」などはシニアの上位陣には入ってすらいない。
若年層の自覚が100%正しいわけではないが、少なくともシニアから見た若年層の姿と若年層自身が自覚している姿との間には、大きなギャップがありそうだ。例えばシニア側が「若者は責任感が無いから…」と判断したことについて、若年層側は「そんなことは無い」と大いに不平や不満をもらすことになるかもしれない。
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※「シニアが考える若年層イメージ」と「若年層の実態」に関する調査2022
2021年12月3日から5日にかけて20~29歳の男女(学生除く、若年層)と60~79歳の男女(シニア層)に対しインターネット経由で行われたもの。有効回答数は若年層、シニアそれぞれで500件ずつで、個々の層における男女比は1対1。調査協力会社はネットエイジア。
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