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パナマ戦・メキシコ戦 観てどう思いますか?【第2回日本代表監督支持率調査】実施

(写真:森田直樹/アフロスポーツ)

パナマ戦、どうご覧になりました?

そして次のメキシコ戦にはどんな期待を?

オーストリアで11月の国際Aマッチウィークを戦う森保ー監督について「支持率調査」を実施します。

投票ページ

先月のAマッチウィークに続いてのもので、「Yahoo! みんなの意見」の投票システムを活用します。

期間はパナマ戦後の14日から、メキシコ戦後翌々日の20日いっぱいまでです。集計結果と意見の傾向を、メキシコ戦翌日頃にふたたび「Yahoo! ニュース個人」で公開します。

  • こちらからもどうぞ

前回は「支持率12.3%」

前回の統計結果は以下の通りでした。

Q:10月9日にカメルーン戦、13日にコートジボワール戦に臨むサッカー日本代表。森保一監督の選手起用、戦術を支持しますか。

支持しない

78.8%(14,132票)

支持する

12%(2,154票)

わからない/どちらでもない

9.2%(1,652票)

出典:「Yahoo!ニュース みんなの意見」

  • 「Yahoo! ニュース個人」のオーサーである筆者が「Yahoo! ニュース」編集部に依頼し調査。
「Yahoo! みんなの意見」より実施画面をキャプチャ
「Yahoo! みんなの意見」より実施画面をキャプチャ

「監督の支持率調査」という事例は日本のサッカーシーンでは決して多くなく、過去に南アW杯前の岡田武史監督の「6.9%(ゲキサカ調べ)」がある程度です。

そういったなかでも、12.3%というのは決して高くはない支持率でしょう。

 

そして重要なポイントである「支持しない」理由の多くはこの点でした。

「やろうとしていることがはっきりと伝わらない」

 

今回の2戦のポイントをいくつか、筆者の方で整理しました。

「コロナ禍により活動休止期間が長い」という”理由”はいつまで通じる?

先月のカメルーン戦(10月9日)・コートジボワール戦(13日)で久々のフル代表での活動を行った森保監督。

これは、2019年12月18日のE-1選手権韓国戦以来のゲームでした。

じつにその間「296日」。

それもあってか、特に”再開初戦”のカメルーン戦は基本的なコンビネーションに問題があるように見えました。パスがたびたび途切れ、決して面白いゲームではありませんでした。

いっぽうでこの11月のパナマ戦・メキシコ戦ではこれがどうなっていくのか。「活動休止明け」「海外組のみ」の事情をどこまで考慮できるのか。

筆者も13日夜のパナマ戦を観て思うところはありますが…発言は控えます。「聞き手」に回るのがこの企画の主旨のひとつゆえ。

常に頭に入れておきたい「就任時の公言」

とはいえ、確認をしておきたい点はあります。

「なぜ森保監督なのか」「何を期待されて監督を任されているのか」の点です。大いに忘れられがちです。

政治家でいえば”所信表明”の内容が履行されているのか、状況の変化に応じられているのか。

このチームの生まれた背景は「ロシアW杯のチームの良い点の継承」と「当時のチームをコーチとして見てきた森保監督のカラーの追加」です。

具体的には「ファンタジー」「攻撃的」と言われた西野朗監督のチームに、森保監督ならではの「臨機応変」を加えること。速攻と遅効、前線からのプレスと引いて守る守備、3バックと4バックの使い分けなどです。

これが出来ているのか、出来ていないのか。評価はそこで下されるべきです。観る側にも当然、軸は必要です。

「ロシアからの継承」が根底にあるから、当然ロシア時代の選手が選ばれていなければ「最初と話が違う」ということになります。

また「若返り」については、就任時には田嶋会長は「待ったなし」とし、森保監督本人は「競争の結果」「ベテランを呼ぶこともある」としました。

もし仮に「若返り」を強く望むのであれば、そこを森保監督に求める必要はない。別の監督に頼むべきでしょう。今のファンのニーズが「若返り」なのであれば、ぜひとも任命者への意見をコメント欄にいただきつつ、「不支持」に一票を。

「長期的視点」もお忘れなく!

ただし当座の結果だけにとらわれず、「ぜひともW杯本選のステージでどんな結果を出すのか」という、4年間を見渡す視点もぜひ。

過去の日本代表には「早くチームが仕上がると、W杯本選での結果が芳しくない」というデータもあります。2006年ドイツ大会前(ジーコ監督時代)は、アジアカップで優勝、コンフェデレーションズカップでも健闘、W杯アジア予選も世界最速で突破したが、本大会ではグループリーグ敗退。

2014年ブラジル大会でも同じくアジアカップ優勝やコンフェデレーションズカップのイタリア戦で大きなインパクトを残し、大会2年前、1年前の冬にはアウェーで欧州強豪に勝つなどの結果を残しました。このチームもやはり、本選ではグループリーグ敗退でした。

いっぽう、ベスト16入りした南ア、ロシアの2大会ではいずれも大会直前までドタバタ。直前の変化が結果的にチームの成長や勢いに繋がり、結果を残しています。

”ラージグループ”の問題「いつまで広げるの?」

ひとつだけ筆者の個人的意見を、専門分野の見地から。現場で取材をしていて、森保一監督がよく口にする「ラージグループから見極める」という言葉に非常に引っかかります。

フル代表、五輪代表候補を合わせた大きな枠から選手を見極めていく、という意味です。

最近では今年9月の会見でこう発言しています。

「東京五輪世代の選手を呼ばせてもらって、少しラージグループ、A代表に将来的につながっていく選手も招集させてもらえたらということで話をさせてもらっている」

メリットはこういう点にあるのだと。

「経験が浅い選手に関しては、A代表というレベルの高い選手たちの中に入って活動するだけでもオンザピッチ、オフザピッチで学びになることが多いし、試合で使ってあげられるかはわからないが、一緒に練習して一緒に釜の飯を食べることで成長につながる経験になる。この活動で全ての選手にいい刺激になると思う。練習でもお互いのことを感じられるトレーニングができると思うので工夫しながらやっていきたい」。

はっきり言って、兼任監督のリスクとなりうるポイントです。いつまでそれをやる? W杯予選まであと何回試合が出来る? 強化の焦点がぼやけないか? 10月、11月のAマッチはコロナ禍にあって欧州組のみの招集となるという事情はありますが。

この点は筆者の研究対象であり、アジアのライバル韓国とは対照的なスタンスです。2019年12月を前にA代表監督のパウロ・ベント、五輪代表キム・ハクボム監督が会談。「お互いを分けて強化する」ことを決めた。結果、日本が結果を残せなかったE-1、U-23選手権いずれでも優勝を果たしています。

森保監督本人の最新の発言は? やっぱり「分かりにくい」?

繰り返しになりますが、前回の調査の「不支持」の理由の多くは「やりたいことが分からない」という点にありました。

では、実際のところ監督本人は11月のAマッチウィークを前にどんな発言をしているのか。

気にかかる点が2つありました。まずは、9日にオーストリア入りした後のオンライン会見でのやりとりから。

――今回の活動で戦術的に試しておきたいことは?

「戦術の幅は常にオプションとして広げていきたい思いを持っているので、10月のオランダでの活動も3バックであったり、4バックであったり、試合の中で試したり、練習の中でも選手に共通認識を持ってもらえるように時間を使っている」

「ただし、戦術等々のオプションを広げたいというのは持っているけど、大切なのは、常に我々の戦うベースの部分を、どれだけしっかり、いつも発揮できるかが大切だと思っている。代用活動は1度活動したら、選手はそれぞれ所属チームに戻っていくし、まずは戦術のギャップが所属チームと代表ではあると思うので、まずはベースの部分の確認をいかにできるかに時間を使いながら、我々の戦いの幅を広げていかないといけないと思っている」

さらに12日、パナマ戦前にした会見ではこういった発言も。

―2試合の第1戦目で、この試合で確認したいことは。

「まずは10月の活動より、全ての部分でレベルアップできるようにということ。またチームとして共通理解を深め、コンセプトとベースの部分をより徹底してできればと思っている」

「攻撃では10月に速攻、遅攻を使い分ける部分で、マイボールを大切にしながら攻撃のチャンスを作りだすということでやっていきたいし、守備の部分では相手からボールを奪い、アグレッシブにプレッシャーをかけるところと、いつでもどこでもプレッシャーをかけられるわけではないので、相手が良い状態になった時にいつどこでプレッシャーをかけるかをチームとして、相手が困るような守備ができればと思っている」

つまりは、戦術を拡げていきたい。やりたいことはたくさんある。速攻も遅攻もやりたいし、マイボールを大切にしたいし、守備ではプレッシャーをかけたいし、かけられなければそれに応じてやる。いっぽうでチームの基礎は高めていきたい。

そういうことです。

果たして、2戦を通じどういう戦いを披露するでしょうか。そしてファンの感じるところは?

「ぜひとも、2戦をご覧になった後に投票をお願いいたします」

(了)

本企画は、筆者がYahoo! ニュース編集部に依頼をし、調査を実施するものです。統計を取り続けることにより、「コアなサッカーファンが、今の日本代表をどう観ているのか」という点を分かりやすい数値で発信します。さらには下記の点を目指します。

・”コアファン”と”にわかファン”の視点の乖離を少しでも埋める。

・一戦一戦の見どころを整理し、よりビビッドに代表戦を楽しめるコンテンツに。

・「観る側」の視点を新たなコンテンツにしていくというチャレンジ。

吉崎エイジーニョ ニュースコラム&ノンフィクション。専門は「朝鮮半島地域研究」。よって時事問題からK-POP、スポーツまで幅広く書きます。大阪外大(現阪大外国語学部)地域文化学科朝鮮語専攻卒。20代より日韓両国の媒体で「日韓サッカーニュースコラム」を執筆。「どのジャンルよりも正面衝突する日韓関係」を見てきました。サッカー専門のつもりが人生ままならず。ペンネームはそのままでやっています。本名英治。「Yahoo! 個人」月間MVAを2度受賞。北九州市小倉北区出身。仕事ご依頼はXのDMまでお願いいたします。

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