糖尿病はどうやって診断するの?【いまさら聞けない糖尿病について、理学療法士が解説します】
田舎の民間病院で理学療法士として勤務しているぴぴです。
みなさまにひとつでもためになるような知識や情報をお届けしていきたいと思います。
糖尿病の診断
糖尿病の診断はどのようにするのでしょうか。
血糖値を測定をするタイミングと食事を摂った時間が近ければ血糖値が高くなるなど、健康な人でも血糖値には変動があります。
1度の測定で糖尿病と確定していいかは難しいですよね。
本記事では血糖値の測定だけではない、糖尿病の診断方法について解説していきます。
正常な血糖値とは
そもそも、血糖値が正常であるとはどれくらいの数値のことを指すのでしょうか。
正常な血糖値は、食前・食後を含めて70〜140mg/dlとされています。
食事によって身体の中に糖分が取り込まれることで変動はあるものの、急激に高くなったり低くなったりはせず、この範囲の中に血糖値を落ち着かせる機能が備わっています。
血液検査で確認する4つの項目
糖尿病の診断には、血液検査で以下の4つの項目を測定します。
HbA1c(ヘモグロビン エーワンシー)
HbA1cとは、赤血球中のすべてのヘモグロビンのうち、血中のブドウ糖と結合した糖化ヘモグロビンの割合をパーセントで表す数値です。
全身の細胞に酸素を送る働きをすることで知られているヘモグロビンですが、血液の中にあるブドウ糖と結合すると糖化ヘモグロビンとなります。
血糖値が高くなると、ブドウ糖と結合するヘモグロビンの量が増えるため、糖化ヘモグロビンが増えます。
ヘモグロビンの寿命は120日程度といわれており、一度結合した糖化ヘモグロビンが分離することはないため、血液検査直前の1〜2ヶ月の血糖値を反映する指標として用いられています。
HbA1cの数値は、採血当日の食事などによる血糖値の影響は受けないといわれています。
早朝空腹時血糖値
10時間以上の絶食後に採血したときの血糖値も糖尿病の指標となります。
健康な人であれば、早朝空腹時血糖値が110mg/dL未満ですが、糖尿病の人だと126mg/dL以上という高い数値が示されることがあります。
75g経口ブドウ糖負荷試験(75gOGTT)
血糖値だけでは判断しかねる場合や糖尿病発症リスクが可能性が高い場合に実施することが多い判定方法です。
一定量のブドウ糖を含む飲み物を飲み、時間経過を見ながら採血を行い、血糖の経時的変化をもとに糖尿病かどうかを診断します。
早朝空腹時血糖値の測定と同様に、10時間以上の絶食後に実施し、摂取前・摂取後30分、60分、120分(場合によっては180分後も)の血糖値を測定し、下記の判定基準と照らし合わせて診断します。
糖尿病型:糖尿病が強く疑われるため、専門医療機関を受診しましょう
境界型・正常高値:糖尿病が否定できないため、保健指導を受けて早めに対応しましよう
随時血糖値
食事の時間と関係なく採血したときの血糖値を指します。
正常値は200mg/dl未満です。
まとめ
糖尿病の診断は大きく分けて血糖値とHbA1cの測定を用いることが伝わりましたでしょうか。
健康診断で「夕食は○時までに済ませてください」といった案内をされることがあると思います。糖尿病の診断を含む、さまざまな検査を円滑に行うためのお願いとなりますので、ご協力をお願いいたします。