日本の平均寿命は世界水準で長い方なのか…平均寿命の国際比較をさぐる(2024年公開版)
厚生労働省から2024年7月に発表された2023年分の簡易生命表には、厚生労働省が把握している限りにおける、最新の主要国における平均寿命の一覧が掲載されている。その内容から、主要国の平均寿命の実情を確認する。
次に示すのは男女それぞれの平均寿命上位国15位までをグラフ化したもの。なお簡易生命表の資料でも言及されているが、「平均寿命の諸外国との比較は、国により作成基礎期間や作成方法が異なるため、厳密な比較は困難」であるため、あくまでも参考値レベルのものと認識してほしい。また、香港(男性82.49年・女性87.91年)は除外している。
グラフ形状は男女とも似たようなものだが、縦軸の最下層が男性は78.5年・女性は82.0年となっていることからも分かるように、概して女性の方が寿命は長い。これは一つ目のグラフ、日本における平均寿命の推移を見ても明らか。
日本は男性では世界基準で見るとスイス、スウェーデン、ノルウェー、オーストラリアに続いて第5番目となる。女性は日本がトップで、スイスがそれに続く。
グラフでは下限が調整してあるために大きな差異が出ているように見えるが、男性は上位15位の差異が2.40年、女性は3.34年にとどまっている。おおよそ上位国は誤差範囲の中で順位争いをしているとの認識で間違いあるまい。
今件の値はあくまでも平均寿命を公開している国に限られ、しかも厚生労働省が現時点で把握している最新値における比較となる。また、社会情勢の変化で容易に順位変動が起きうることは言うまでもない。さらに、先行する平均寿命の記事で詳しく説明しているが、今数字は「該当年に生まれた子供が社会情勢などの環境変化がない限り、平均で何年生きられるか」を示したものであり、現時点で該当する年齢の人が「平均的な寿命ならばもう死亡する」ことを意味してはいない。
今後も平均寿命は漸次伸びていくだろうが、その際に国別の変化がどのように生じるのか、気になるところだ。
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