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東・北日本でも台風18号は加速してあっという間に接近

饒村曜気象予報士
気象衛星「ひまわり」の赤外画像(平成29年9月17日3時)

台風18号は加速する台風

 今年の台風は、台風5号など、日本付近を加速しないで通った台風が多かったのですが、台風18号はちがいます。これまで、ゆっくり進んでいた台風18号は加速をし始めました(表)

表 台風18号の中心気圧・進行方向・進行速度(9月17日6時以降は予想)
表 台風18号の中心気圧・進行方向・進行速度(9月17日6時以降は予想)

 台風5号など、これまでの今年の台風は、上空に強い風が吹いていないため、加速しないで日本を襲ったのですが、台風18号の上空には強い西風が吹いており、これに乗って加速を始めました。

 太平洋高気圧の縁をまわるようにして台風18号が進む予報です(図)。

図 台風18号の進路予報(平成29年9月17日3時の予報)
図 台風18号の進路予報(平成29年9月17日3時の予報)

 台風18号の情報については、常に最新のものを入手して下さい。

台風の温帯低気圧化と加速

 台風が温帯低気圧に変わりつつあるときは、加速することが多いのですが、台風18号も気象衛星から見ても雲の形が、台風特有の円形の雲の塊ではなくなっていることからわかるように、温帯低気圧に変わりつつあり、そして加速します。

 台風18号の中心から離れている東日本や北日本でも、台風が加速してあっという間にやってきます。

休日は台風情報を甘く見がち

 休日はウィークデーより台風被害、特に人的被害が大きくなると言われています。

 その理由として、防災機関や報道機関の防災体制が休日とウィークデーとで違うことや、休日は不慣れな場所にでかけることが多いこと、ウィークデーでは台風情報を悲観的に受け取って警戒する人でも、休日は、楽しい予定を考えて楽観的に受け取る人(甘く見がちな人)がいることなど、いろいろな要因が考えられます。

 

 台風は不意にやってくるものではありません。台風は必ず南の海から進んできますので、台風情報に注意していれば、台風被害、特に人的被害を軽減することができます。

 シルバーウィークの三連休の最中ですが、加速しては、あっという間に近づくのが、今回の台風18号ということで、西日本はもとより、東日本、北日本でも警戒が必要です。

気象予報士

1951年新潟県生まれ。新潟大学理学部卒業後に気象庁に入り、予報官などを経て、1995年阪神大震災のときは神戸海洋気象台予報課長。その後、福井・和歌山・静岡・東京航空地方気象台長など、防災対策先進県で勤務しました。自然災害に対しては、ちょっとした知恵があれば軽減できるのではないかと感じ、台風進路予報の予報円表示など防災情報の発表やその改善のかたわら、わかりやすい著作などを積み重ねてきました。2024年9月新刊『防災気象情報等で使われる100の用語』(近代消防社)という本を出版しました。

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