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週明けは本格的な寒気 “いったん”冬支度を

増田雅昭気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
11日(月)の上空の気温。青が低温。平野部に雪を降らせる寒気が東北地方まで南下。

シベリアから寒気が南下した影響で、8日は北海道で雪に。10月なかばまでは全国各地で真夏日になり記録的な高温でしたが、季節が一気に遅れを取り戻そうとしています。11月は東京で初雪が降ることがあるなど、季節が急に進む時期です。

週明けは冬へ前進

10日(日)の夜~12日(火)は、一段と強い寒気が南下します。

北海道だけでなく、東北の平野部でも、日本海側は各地で雪に。車のタイヤなど、雪への備えが必要になってきます。

関東~九州も、標高1000mくらいより高い所では雪が降ってもおかしくありません。市街地でも、木枯らしが吹いて、どことなく冬の匂いがする寒さになります。

そうは言っても秋

ただ、今回はまだ、かわいらしい寒気です。真冬のように、日本列島を何日間も覆い続けるような大きさはなく、さっさと抜けていきます。

次の寒気まではインターバルがあって、来週なかば以降しばらくは、秋の後半らしい天気が戻ってきます。

東京でも11月に初雪?

今年のように急に寒くなると、季節の歩みが早いのか遅いのか、感覚がよく分からなくなります。その際、一つの目安となるのが「初雪」です。

今年は、旭川や釧路で平年より早かった一方、札幌や稚内は遅れました。

この初雪、古い観測所だと、明治時代から観測記録があって、様々なことが分かります。

たとえば、東京都心では、11月に初雪を観測した年が、意外とあります。1876年(明治9年)からの過去130年余りの間に、9回あるんですね。

ほとんどが今より寒かった昭和前半までの記録で、さすがに近年は11月に雪は降りにくくなっています。

では、今はまったく可能性はないのか?

実は、近年でも降ったことがあります。2007年11月22日の早朝に、東京都心で雪の目撃があいつぎ、テレビカメラにもとらえられたんですね。

この時は気象台(大手町)では、雨が観測されて、残念ながら初雪の記録としては残りませんでしたが、紙一重の気温・湿度でした。

今年、東京にも雪を降らせるような強い寒気が、もしやってくるとすれば、11月下旬以降。その場合、日本海側では本格的な冬支度です。

今のところ、そういったシグナルは出てないですが、今年は特に「季節が急に進む」というのが天気のクセのようですから、監視は怠らないようにしようと思っています。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

TBSテレビ・ラジオ気象キャスター。大学在学中に気象予報士を取得し、民放キー局の報道番組に学生予報士として出演。気象キャスターに携わりながら、企業への予報やアドバイザーも長年担当し、甲子園での高校野球の大会本部気象担当を務めたこともある。災害から身を守る気象情報の使い方など講演も行うほか、Twitterで気象情報を毎日発信。著書に『TEN-DOKU クイズで読み解く天気図(ベレ出版)』がある。1977年滋賀県甲賀市生まれ。

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