150万円以上課金も…コロナ禍の夏休みに急増する子どものオンラインゲームの高額課金トラブルを防ぐには
コロナ禍の夏休み、普段より子どもたちが家にいる時間が長くなることで、スマホやタブレット、家庭用ゲーム機でオンラインゲームをして、保護者の断りなく高額課金してしまうトラブルが急増中だ。国民生活センターが、小中高校生におけるこのようなトラブルが増えていることを警告している。
国民生活センターによると、契約当事者が小中高校生であるオンラインゲームに関する相談は2020年度には前年度の2,557件から3,723件へと急増している。中でも小学生における増加率は前年比で約1.6倍と大きく、中学生も約1.3倍となっている。保護者はどのように対策すればいいのだろうか。
小学生45%、中学生39%がオンラインゲームで課金
都民安全推進本部の「家庭における青少年のスマートフォン等の利用等に関する調査」(2021年4月)によると、コロナ禍によって子どものネット利用時間が伸びており、35.4%が「オンラインゲームで遊ぶ」時間が増えている。その結果、「アプリやゲームの購入、課金」トラブルが増えたという回答は37.9%にも及ぶ。
四国新聞によると、2021年3月、県教委がオンラインゲームを週一回以上する児童生徒を対象に調査したところ、オンラインゲームで課金する割合は、小学生4〜6年生で45%、中学生で39%、高校生で23%に上った。課金する子どものうち、月3千円以上の割合は小学生4〜6年生で21%、中学生で16%、高校生で17%だった。
このように、子どもにおけるオンラインゲームでの課金は一般的なものとなっている。オンラインゲームでは友だちなどとプレイするため、周囲が課金していると自分もしたいという気持ちが働く。自分だけ課金しないことで不利に働いたり、ときにはバカにされることもある。そこで、「課金したい」という気持ちをつのらせ、高額課金につながりやすくなるというわけだ。
子どもたちはどのように高額課金しているか?
「子どもが勝手にお年玉などを使ってプリペイドカードを購入、課金していた」という話はよく聞くが、中には勝手に150万円以上課金してしまっている事例がある。まず、子どもたちの実際の課金事例から見ていこう。
「『キャリア決済をすればお金がかからない』と友達に聞いて高額課金した」という例がある。キャリア決済を選べば子どもが直接支払わずに課金できてしまうのだ。キャリアのID、パスワード(暗証番号4桁)を入力すれば課金できてしまうため、子どもには教えないことが大切だ。
App Storeなどで課金すると、決済完了メールが届く。決済完了メールは、保護者が子どもの勝手な課金に気づくきっかけとなるため、必ず確認する必要がある。
しかしそれでも、「150万円以上課金されていたが、決済完了メールを子どもに削除されていたため気づかなかった」ということも起きている。決済完了メールだけに頼るのではなく、クレジットカードの利用明細書も必ず確認するべきだろう。
クレジットカードを紐付けた課金できる状態のアカウントを子どもに自由に使わせてしまうと、タップだけで課金できてしまい、トラブルのもとになる。スマホや家庭用ゲーム機で、保護者のアカウントで子どもが勝手に課金してしまう例も目立つ。
子どもの勝手な高額課金トラブルを防ぐには
子どもの勝手な高額課金を防ぐための対策をご紹介しよう。
クレジットカードはしっかり管理し、利用明細書も毎回確認すること。
決済完了メールは必ず確認すること。
保護者のアカウントは必ずログアウトし、子どもに勝手に使わせないこと。
購入する度に毎回パスワードを入力する設定にしておくこと。
iPhoneの場合は、「設定」→「自分の名前」→「メディアと購入」→「パスワードの設定」→「パスワードを常に要求」→「完了」で設定できる。
パスワードは子どもに教えず、推測できないものにすること。
キャリアのID、暗証番号、端末にかけたパスコードすべてが対象だ。子どもが保護者の手元を盗み見て把握している例もあるので、注意してほしい。
そもそも子どもに渡す場合は、課金できない設定にしておくのもいい。
iOS端末の場合、「設定」→「スクリーンタイム」→「コンテンツとプライバシーの制限」をオンにして、「iTunesおよびApp Storeでの購入」→「App内課金」→「許可しない」で設定できる。
なお、未成年者が保護者の承諾なくオンラインゲームの課金をしてしまった場合は未成年者契約の取消しが可能な場合があるので、最寄りの消費生活センター「188(いやや)」まで相談してほしい。
しかし、そもそも子どもが勝手に課金できない設定にしたり、すぐに気付けるようにしておくことが一番大切だ。そして、子どもと課金について話し合っておくことが大切ではないだろうか。
オンラインゲームで遊ぶことが悪いわけではない。思わぬトラブルにつながることがないよう、保護者が見守りながら使わせるようにしてほしい。