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シャビの初陣を考察。イリアスの「ペドロ感」と、グアルディオラとバルベルデのハイブリッド。

森田泰史スポーツライター
ピケとブスケッツに指示を送るシャビ監督(写真:なかしまだいすけ/アフロ)

インターナショナルウィーク明け、本拠地カンプ・ノウで最も叫ばれたのは「シャビ!」の名前だった。

リーガエスパニョーラ第14節、バルセロナ対エスパニョールのダービーマッチは、シャビ・エルナンデス監督の初陣であった。レジェンドが指揮を執るチームを一目見ようと、7万4418人の観客が集まった。

「僕が最後にカンプ・ノウを来たのは6年前だ。その頃から、大きな変化があった。ファンは、僕たちが試合を支配していない時間帯でも、応援を続けてくれた。勝ち点3を獲得するためにファンのサポートは大きな力になった」

これはエスパニョール戦で勝利した後のシャビのコメントである。

指揮官の言葉の通り、バルセロナのファンは変わったのかもしれない。そして、変化を受け入れた彼らは、無論チームにも変わることを要求している。

それでは、シャビ・バルサに訪れた変化とは、なんだろうか。

■ガビの左WG起用

まず、ウィングの起用法だ。

左ウィングにガビ、右ウィングには17歳のカンテラーノであるイリアス・アコマックが抜擢された。

ガビのウィング起用で、思い起こしたのは、ペップ・グアルディオラ監督の下でのアンドレス・イニエスタのウィング起用である。

バルサ時代のメッシとイニエスタ
バルサ時代のメッシとイニエスタ写真:ロイター/アフロ

ペップは度々、イニエスタを左ウィングで使っていた。それはポゼッションを高めるためだった。

本来、イニエスタはインサイドハーフの選手だ。ドリブル、キープ力、プレービジョン、そういった特徴に顧みれば、中盤に置くのが最適である。だが、ペップはイニエスタをウィングに配置することで、チーム全体のボールキープ力を高めた。

イニエスタをワイドに張らせれば、簡単にはボールロストしない。そこで起点が作れる。また、イニエスタが中盤に降りてきてボールを受ければ、ミドルゾーンで容易に数的優位ができる。

ガビを左ウィングに配置することで、攻撃のパターンは増えた。フレンキー・デ・ヨングが2列目から飛び出す。あるいは、ジョルディ・アルバがオーバーラップしてくる。

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■タスクの多様化と配置の妙

これによりデ・ヨングのタスクは多様化した。だがそれは彼にとってプラスに働いた。

ロナルド・クーマン前監督の下では、ペドリ・ゴンサレスの台頭もあり、デ・ヨングの定位置は右インサイドハーフになった。

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スポーツライター

執筆業、通訳、解説。東京生まれ。スペイン在住歴10年。2007年に21歳で単身で渡西して、バルセロナを拠点に現地のフットボールを堪能。2011年から執筆業を開始すると同時に活動場所をスペイン北部に移す。2018年に完全帰国。日本有数のラ・リーガ分析と解説に定評。過去・現在の投稿媒体/出演メディアは『DAZN』『U-NEXT』『WOWOW』『J SPORTS』『エルゴラッソ』『Goal.com』『ワールドサッカーキング』『サッカー批評』『フットボリスタ』『J-WAVE』『Foot! MARTES』等。2020年ラ・リーガのセミナー司会。

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