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ノート(2) 証拠改ざん事件による逮捕前日、検察内で何があったのか

前田恒彦元特捜部主任検事
(写真:アフロ)

~序章(2)

逮捕前日

特捜部長室

 指定の時間よりも早めに登庁し、大阪地検17階の僕の執務室で待機していると、特捜部長からの内線電話で部屋が検事正室から特捜部長室に変更になったと伝えられた。

 指定された午後1時に16階の特捜部長室に行くと、特捜部長が待っており、やや遅れて検事正がやってきた。

 当時の特捜部は強制捜査中の事件がなく、休日でもあり、特捜部長室に隣接した特捜事務課には誰も出勤していなかった。

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元特捜部主任検事

1996年の検事任官後、約15年間の現職中、大阪・東京地検特捜部に合計約9年間在籍。ハンナン事件や福島県知事事件、朝鮮総聯ビル詐欺事件、防衛汚職事件、陸山会事件などで主要な被疑者の取調べを担当したほか、西村眞悟弁護士法違反事件、NOVA積立金横領事件、小室哲哉詐欺事件、厚労省虚偽証明書事件などで主任検事を務める。刑事司法に関する解説や主張を独自の視点で発信中。

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