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年末年始はTwitterやSMSでの詐欺に注意。とくにプレゼント企画に応募した人は気をつけて

篠原修司ITジャーナリスト/炎上解説やデマ訂正が専門
(写真:アフロ)

 「年末年始は詐欺のかきいれ時」ということで、振り込め詐欺やオレオレ詐欺などの特殊詐欺への注意が呼びかけられていますが、インターネットでも注意が必要です。

12月は特殊詐欺の被害額が大きい

 こうした呼びかけで最初に気になるのは「年末年始にどれくらい詐欺が増えるのか?」だと思いますので、警視庁から2017年から2020年にかけての特殊詐欺の認知件数を引っ張ってきました。

特殊被害の認知件数のグラフ。警視庁「特殊詐欺認知・検挙状況等について」より。グラフは筆者作成。
特殊被害の認知件数のグラフ。警視庁「特殊詐欺認知・検挙状況等について」より。グラフは筆者作成。

 グラフを見ると、たしかに全体的な傾向として12月の認知件数が高いようです。

 そしてこのグラフは認知件数での話ですが、じつは本当にすごいのは被害額です。年末で銀行が閉まることもあって家にお金を確保しているのか、12月は被害額がグンと伸びる傾向にあります。

特殊被害の被害総額のグラフ。警視庁「特殊詐欺認知・検挙状況等について」より。グラフは筆者作成。
特殊被害の被害総額のグラフ。警視庁「特殊詐欺認知・検挙状況等について」より。グラフは筆者作成。

 こうしたデータがあるからこそ、警視庁が年末年始には特殊詐欺への警戒を呼びかけているのでしょう。

インターネットも無関係ではない

 もちろんこれらのデータは電話やハガキなどを使った特殊詐欺の数値のため、インターネットのユーザーには直接的には関係なさそうです。

 しかし、迷惑電話やフィッシング詐欺のSMSなどをブロックするアプリ『whoscall(フーズコール)』さんにデータがないか聞いたところ、SMS(ショートメッセージ)を使ったフィッシング詐欺も年末は増えることがわかりました。

100人ごとの詐欺SMS受信件数のグラフ。Whoscall提供。
100人ごとの詐欺SMS受信件数のグラフ。Whoscall提供。

 こちらは『whoscall』さんから提供して頂いた日本におけるフィッシング詐欺などのSMSの検知件数ですが、12月は100人中50人ほどが詐欺SMSを受け取るのではないかと予想されています。

 ちなみにこのグラフで多い9月は、NTTドコモが同社を騙るSMS経由のネット詐欺で「約1億円の被害が発生した」と注意喚起をしていた頃でもあります。

 つまり、あのときに近いくらいの詐欺SMSが12月は送られる可能性があるということです。

HIKAKINさんのiPhone 13プレゼント企画、前澤友作さんのお金配りに便乗の可能性

 そして、今回のネット詐欺で私が一番「あぶない」と思っているのは、HIKAKINさんのiPhone 13プレゼント企画や、前澤友作さんのお金配りに応募した人たちです。

 Twitterではプレゼント企画が行われると、その応募者に対して「当選しましたよ!」と騙るDMが送られ、必要な情報だと騙してクレジットカード番号を入力させて入手する詐欺がよく起きています(参考:増えるヒカル&ラファエルの偽公式アカウント。Twitter運営ほぼ対応せず、被害に遭う一般ユーザー)。

 記事時点で前澤友作さんのお金配りは継続中であり、HIKAKINさんのiPhone 13プレゼント企画は先日締め切られたばかり(当選発表はまだ)です。

 このプレゼント企画にあわせて詐欺DMが送られる可能性はとても高いと見ていますので、プレゼント企画やお金配りに応募された方は十分に注意してください。

 もちろん、応募していなくても怪しいSMSが送られてくる可能性はありますので、そちらもお気をつけください。

ITジャーナリスト/炎上解説やデマ訂正が専門

1983年生まれ。福岡県在住。2007年よりフリーランスのライターとして活動中。スマホ、ネットの話題や炎上などが専門。ファクトチェック団体『インファクト』編集員としてデマの検証も行っています。最近はYouTubeでの活動も。執筆や取材の依頼は digimaganet@gmail.com まで

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