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1試合に計16人が出塁しながら、誰もホームインできずに完封負け

宇根夏樹ベースボール・ライター
フランシスコ・リンドーア(ニューヨーク・メッツ)Aug 11, 2023(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 8月11日、ニューヨーク・メッツは、アトランタ・ブレーブスに0対7で敗れた。

 ブレーブスの投手5人による継投に対し、手も足も出なかった……というわけではない。二塁打1本を含む7本のヒットを打ち、9四球も記録。計41人が打席に立ち、そのうちの40%近くが出塁した。41分の16(7安打+9四球)なので、39.0%だ。

 一方、ブレーブスは、11安打と3四球。その合計はメッツより少ないが、14人中7人がホームインした。

 オプタ・スタッツによると、1900年あるいは1901年以降の「モダン・エラ」において、9イニングの試合で7安打以上と9四球以上を記録して無得点のチームは、初めてだという。

 もっとも、16人以上が出塁して無得点は、史上初ではない。ESPNスタッツ&インフォは、2015年のピッツバーグ・パイレーツ以来、メッツでは1976年以来、と謳っている。

 2015年9月28日の試合で、パイレーツは16人が出塁した。二塁打2本を含む6安打と、敬遠四球1度を含む10四球だ。そして、セントルイス・カーディナルスに0対3で敗れた。

 1976年7月6日の試合で、メッツは18人が出塁した。二塁打2本を含む8安打と、10四球だ。先日のメッツより1ずつ多く、オプタ・スタッツの記述と矛盾するようにも見えるが、47年前の試合は10イニングだった。メッツの投手もヒューストン・アストロズを抑えていたが、10回裏に1点を取られた。

 10回表を除くと、先日と同じ、7安打と9四球になる。

 なお、この3試合とも、死球による出塁はなかった。

 1976年のメッツは、ポストシーズンには進めなかったものの、86勝76敗を記録した。2015年のパイレーツは、ナ・リーグで2番目に多い98勝を挙げ、ワイルドカードでポストシーズンに進出した。今シーズンのメッツは、ここまで52勝63敗だ。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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