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「30になったら、私死にます」と歌う若者と、70歳になってもラブソングを歌い続ける吉田拓郎さん。

竹内成彦心理カウンセラー(公認心理師)

こんにちは。
精神医学と性格心理学に詳しい
心理カウンセラー(公認心理師)の竹内成彦です。

今日のテーマは、「『30になったら、私死にます』と歌う若者と、70歳になってもラブソングを歌い続ける吉田拓郎さん」です。

私は、日々、カウンセリングをしている者なのですが、ある時、
20代前半の若者から、「40になったら、僕、死にます」と言われたことがあります。理由を尋ねると、「40歳を過ぎると、男は、みっともなく汚らしくなるから、とっても生きてられない」とのことです。私が熱心に耳を傾けていると、さらに彼は続けます。「40を過ぎて、気力も体力も衰えて、何が楽しくて生きているのか、僕にはサッパリ意味がわかりません」とのことです。

当時、60を過ぎていた私は、その若者に尋ねました。
「私を見て、どう思う?」と…。すると、その若者は、「そうですね。生きる屍(しかばね)にしか見えないですね」と、言ってのけました。

私は、その瞬間、自分が若い頃(10代か20代)に聴いた、「30になったら、私死にます」という歌を思い出しました。その歌では、歌手の方が、「綺麗なまま死にたい」と歌っていたのですが…、当時の私は、「ふーん」としか思いませんでした。けれど、そのフレーズは、ずっとあとまで、私の心に強く残りました。

私は、現在63歳ですが、10代後半の頃は、強烈な希死念慮と戦い続けていました。
どうにかこうにか20歳になり、自殺するのをあきらめた私は、「とりあえず、60歳までは生きよう」と決めました。そう、当時の私は、「60歳になったら、自分は死ぬんだ。そういう運命なんだ」と本気で考えていたのです。

そんな私も、やがて結婚し、子どもを授かります。
そして私は、50歳を超えた時、生きていくのが、もの凄くしんどくなりました。「ああ人は、こうやって、死に近づいていくんだ。あと10年足らずで、自分は死ぬんだ」と、またまた強く思いました。今、思えば、その頃の自分は、男性更年期に突入していたのだと思います。

そんな私ですが、60歳に近付くにつれ、徐々に、元気になっていきました。そう、男性更年期を抜け、私は心身の活力を取り戻し始めたのです。そして私は、60を過ぎて、「自分はこれから、どう生きていこう?」と真剣に考えるようになりました。

そのとき私は、吉田拓郎さんを思い出しました。
2016年の9月10日、NHKの「SONGS」という番組に出演された、70歳になったばかりの吉田拓郎(1946年4月5日生まれ)さんは、「70歳になっても80歳になっても、ラブソングが歌いたい。ラブソングを作り続けたい。ラブソングのない音楽なんて、話になんない」と語ったのです。

私は、吉田拓郎さんの言葉を思い出し、自分を奮い立たせました。

60を過ぎた私は、「70歳になっても80歳になっても、求められる限り、心理臨床家をやり続けよう」と思いました。そして同時に、「70歳になっても80歳になっても、人から求め続けられるような心理臨床家であり続けたい」と思いました。
そのためには、清潔感を失わず、小奇麗であることです。そして何より、心理臨床家としての情熱を失わず、自己研鑽を忘れないことです。

繰り返しになりますが、この文章を書いている私は、現在63歳です。そして吉田拓郎さんは、現在78歳です。私にとって、吉田拓郎さんは、限りなくカッコいい大人です。
「30になったら、私死にます」と歌っていた歌手の方は、40歳50歳の綺麗な女性を見たことがなかったのかもしれません。そして、「40歳になったら、僕、死にます」と言った若者は、50代60代のカッコいい男性を見たことがないのかもしれません。

私たち大人は、若い人に対し、カッコいい大人であらねばならないと思います。
カッコいい大人を見せていかねばならないと思います。
私(竹内成彦)には、大きすぎる目標ではありますが、カッコいい大人になって、若者から憧れられるような存在でありたいと思います。

繰り返しになるかもしれませんが、
この記事を読んでらっしゃる50~70代以降の方に、私は言いたいことがあります。それは、「大人として、カッコいい姿を、若者に見せ続けていきましょう!」ということです。
若い人に、勇気や希望を与えるのも、私たち大人の使命や役割だとは思いませんか? 若い人に、「年老いたら終わりだ。夢や希望もない」と思わせていてはいけません。共に頑張りましょう。はい、私も頑張ります。私こそ頑張ります。

私(竹内成彦)は、いつもひとりでいることが多いです。日頃、口を利くのは、クライアントと家族ぐらいなものです。「そんなことじゃいかん」と思った私は、昨年の暮れぐらいから、あるコミュニティに身を置くようになりました。
そんな私ですが、先日、20代~40代の若い人から、飲みに誘われました。正直、とても嬉しかったです。今の若い人は、私たちが若い頃より、もっと2極化しています。もちろん、ふざけた若者もいますが、立派な若者は、本当に立派です。
私は、若い人から、いつもたくさん学ばせていただいて、いつもたくさんの刺激をもらっています。「年老いた私を…」等と言っていちゃいけないのですが、60代の私に声をかけてくれて、本当にありがたいと思っています。この出会いに感謝して、この縁を大切にしていきたいと思います。

最後に私は、10代、20代、30代の人に伝えたいことがあります。
それは、「大人になると、とても楽しい」ということです。あなたの周囲には、くたびれたおじさんや、図々しいおばさんが溢れているかもしれませんが、どうぞ、もっと視野を広げてみてください。あなたの周囲にも、きっとカッコいい素敵なおじさんおばさんが、いっぱいいる筈です。どうぞ、歳を取ることを恐れるのではなく、歳を重ねることを楽しみにしていってください

私は、今、63歳ですが、今が人生の中で1番若く、今が1番幸せで元気です。

今日も最後までお読みくださって、どうもありがとうございます。
心から感謝申し上げます。

      この記事を書いた人は、心理カウンセラー(公認心理師)の竹内成彦です。

心理カウンセラー(公認心理師)

1960年、愛知県名古屋市で生まれ育つ。1997年06月、地元愛知でプロのカウンセラーとして独立開業を果たす。カウンセリングルーム「心の相談室with」名古屋 の室長。臨床歴25年、臨床数15,000件を超える。講演・研修回数は800回、聴講者は10万人を超える。【上手に「自分の気持ち」を出す方法】など、電子書籍を含め、20数冊の本を出版している。カウンセリング講座などを開催し、カウンセラーを育てることにも精力を尽くしている。

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