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俺たち日本代表が2軍? 帝京大学前キャプテンの坂手淳史が笑顔で「見とけよ」。【ラグビー旬な一問一答】

向風見也ラグビーライター
帝京大学のキャプテンには満場一致で就任。今回のチームでも10年選手の落ち着き。(写真:長田洋平/アフロスポーツ)

昨季は帝京大学のキャプテンとして大学選手権7連覇を達成したパナソニックの坂手淳史が、日本代表となった。過去にも練習参加の経験はあるが、テストマッチ(国際間の真剣勝負)への出場経験はない。

日本代表は昨秋のワールドカップイングランド大会では、歴史的な3勝を挙げた。過去優勝2回の南アフリカ代表から大会24年ぶりの白星を奪うなどし、競技人気を沸騰させた。

しかし今度のメンバーにおいては、同大会出場者はゼロ。ジェイミー・ジョセフ新ヘッドコーチは、現在務めるスーパーラグビー(世界最高クラスの国際リーグ)のハイランダーズとの契約上、秋以降の着任となっている。

4月24日に都内で合宿を始めたばかりの今回のジャパンは、4月30日、神奈川・ニッパツ三ッ沢球技場で韓国代表とのアジアラグビーチャンピオンシップ(ARC)初戦をおこなう。20歳以下日本代表を率いる中竹竜二ヘッドコーチ代行のもと、急ピッチでの準備が進んでいる。ベストメンバーではないことや準備期間が短いことなどへ、ファンや関係者が心配の声を上げている。

そんななか「見とけよ」と笑顔なのが、身長180センチ、体重104キロの坂手である。強烈なタックルを長所に、京都成章高校を卒業して間もない頃から帝京大学の主力チームに参画。スクラムの最前列中央に位置するフッカーとして、エディー・ジョーンズヘッドコーチからも高く評価されていた。昨季終盤に左ひじを脱臼も、現在は万全に近い体調だという。

以下、取材時の一問一答の一部(編集済み。質問はすべて当方)。

――始動から約1週間で、テストマッチへ挑みます。

「まぁ、準備期間は短いと思いますが、やるしかないので。それに、そのなかではいい準備ができていると思っています。練習をやってみても、ゾーン(陣地)ごとのアタックもうまいこと整備されている。コミュニケーションの質も高いです。各チームでいろんな経験値を持っておられる方が多く、リードしてくれています」

――招集された経緯は。

「4月の初めか真ん中だったと思います。(留学先の)ニュージーランドから帰ってきて、京都でオフを過ごしていたのですが、そこにパナソニックの方から連絡があって、『呼ばれているよ』と。すぐに『行かせていただきます』と言わせてもらいました」

――やはり、嬉しかったですか。

「そうですね。色々と言われる方はいますけど…。経験できることも多い。この時期にゲームができて、それを観てもらえることは自分自身にとってもチャンスです」

――大学3年時の日本選手権では社会人のNECを撃破。「相手が強い時、負けるかという思いが出る」といった旨の発言もされています。勝手な想像ですが、「今度のジャパンはジャパンではない」などと言われるいまの状況に、かえって燃えているのではないですか。

「そうっすねぇ。やっている僕らからしたら、このチームはすごくいいメンバーですし、まとまってもきている。そんな風に言われているのだとしたら…。(笑顔になり)まぁ、見とけよという感じではあります」

――帝京大学の先輩でもある森太志選手(国際リーグのスーパーラグビーに参加する日本のサンウルブズでもプレー)とのポジション争いについては。

「身体も強いし、スピードもある。その森さんから色々なものを聞いて、吸収するチャンス。(高いレベルでは)どんなものが求められるのかを知ったり、プレーの面でも自分とは違うものがあると思う。一緒に成長をしたいです。日が重なるごとに、見えてくるものがある」

――テストマッチにデビューするとしたら、どんな気分になるでしょうか。

「緊張するとは思いますが、このチームには同じような状況の選手も多い。だからいつもどおり、自然体でできればいい。…と、いまのところでは思っています。ゲームになるとどうなるかわからないですが」

ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

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