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節分の豆まきに潜むリスク ペットの命を守るために飼い主が注意すべきことは?

石井万寿美まねき猫ホスピタル院長 獣医師
(写真:GYRO PHOTOGRAPHY/アフロイメージマート)

2月3日は、節分ですね。

ペットたちとこのイベントを安全に楽しみたいところです。インスタ映えするので、犬や猫に鬼のお面を買い求めた人もいます。ですが、節分の豆を彼らの手の届かないところに置いていますか。節分の豆の保管場所を誤ると、仕事から帰ると、ポチ(犬の名前)はぐったりしているかもしれません。

節分の豆の誤飲

人の世界でも、幼い子は、節分の豆を食べて窒息などがあり、注意を呼びかけています。ペットも同じようなことが起きる可能性があります。

ペットの場合は、窒息より、飼い主の留守に多量に盗み食いをして、腹部膨満が多いです。あまりにも腹部が張り過ぎ、歩行困難な状態で来院した子もいます。イソップ童話の「カエルとウシ」の中の母カエルが、お腹を膨らませたような状態のようでした。

なぜ節分の豆類が危険なのでしょうか

・乾燥しているので、体の中で膨らみます。

・大豆アレルギーのペットも中にはいます。

・シニアや小型犬の子らは、喉に詰まらせる可能性があります。

誤飲しやすい犬種

・食欲旺盛の子

・過去に、盗み食いをした子

・ミニチュア・ダックスフンド、ゴールデン・レトリバー、ラブラドール・レトリバーなど

(チワワやトイ・プードルなどの食にあまり関心がない子は、このような事故が少ないです。)

安全に豆まきをする方法

・ペットのいるところでは、豆をまかない。

・豆を与えるのだったら、飼い主の見ている前で、数個にする。

・豆の量を観察しながら、豆まきをする。彼らは、飼い主の見ていないところで、豆を盗み食いする可能性があります。

飼い主のできること

・節分の豆を買ってきたら、厳重に管理して、盗み食いをさせない。

・2月3日の晩の豆撒きなどが終わったあとの道路には、豆が落ちています。散歩のときに、拾い食いするので、気をつけてください。

豆が悪いというわけではなく、道にあるので、不衛生です。筆者は、節分の次の日は、愛犬が飼い主に似て食いしん坊なので道にあまり豆が落ちていないコースに変えます。

まとめ

撮影は、筆者の知人
撮影は、筆者の知人

犬や猫は、室内飼いの子が多くなり、尚且つ飼い主が働いていて留守番が多くなっています。彼らは、時間がたっぷりあるため、室内でいろいろなことをします。多頭飼いの場合は、猫が、棚の上の節分の豆を落として、それを犬が食べるなどの連携プレーもします。

いまのペットたちは、避妊・去勢手術をされているので、関心ごとは、もっぱら、食べることです。「何か食べられるものはないか」をばかり考えているので、このような事故が起こります。

折角の節分とイベントを楽しく過ごすためにも、このような知識を持っていただくことは大切です。

まねき猫ホスピタル院長 獣医師

大阪市生まれ。まねき猫ホスピタル院長、獣医師・作家。酪農学園大学大学院獣医研究科修了。大阪府守口市で開業。専門は食事療法をしながらがんの治療。その一方、新聞、雑誌で作家として活動。「動物のお医者さんになりたい(コスモヒルズ)」シリーズ「ますみ先生のにゃるほどジャーナル 動物のお医者さんの365日(青土社)」など著書多数。シニア犬と暮らしていた。

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