週末にかけて続く北日本を中心とした冬型の気圧配置と極端な気温変化
強い寒気の南下
令和5年(2023年)11月29日は、上空に強い寒気が南下してきたことから北日本を中心に西高東低の冬型の気圧配置となり、北日本や北陸~山陰では雪や雨が降り、雷を伴って激しく降る所もありました(タイトル画像)。
全国で気温が一番高かったのは、沖縄県・下地島の28.1度で、沖縄県の18地点(気温を観測している全国914地点の約2パーセント)で、最高気温が25度以上の夏日となりました。
半面、最低気温が0度未満の冬日を観測したのが289地点(約32パーセント)となりました(図1)。
令和5年(2023年)は、9月20日に最高気温が30度以上という真夏日が全国で224地点(気温を観測している914地点の約25パーセント)となるなど、記録的な残暑が続いていましたが、10月に入ると、真夏日はほとんど観測されなくなりました。
また、最高気温が25度以上という夏日は、11月に入っても多くの地点で観測される日がありましたが、11月6日に303地点(約33パーセント)を観測したのを最後に、急減しています。
変わって、強い寒気が周期的に南下してきたことに対応し、11月11日~16日、24日~27日には冬日が急増しています。
そして、今回の寒気で冬日が増加していますが、寒気南下のたびに、一段と冬日が増加しています。
大きな気温変化
札幌の最高気温と最低気温の推移をみると、11月上旬までは、平年より高い日が多く、低くなって平年並みでした。
しかし、11月中旬になると、気温の変化が非常に大きくなりました。
11月10日には最高気温が15.7度であったものが、翌11日には5.8度と約10度も気温が急降下しました。
また、23日には最高気温が17.3度だったものは、翌24日は10度、翌々日25日には氷点下1.4度と2日で20度近く気温が急降下しています(図2)。
11月25日は、最高気温が0度未満という真冬日になったのです。
そして、11月30日の最高気温の予報が氷点下1度で、今冬2回目の真冬日となる見込みです。
東京では、札幌ほど大きな気温変化ではありませんが、傾向は同じです。
東京の最高気温と最低気温の推移も、札幌と同じく、11月の初めまでは、平年より高い日が多く、低くなって平年並みでした。
しかし、11月になると、気温の変化が非常に大きくなっています(図3)。
11月24日の最高気温は24.2度と夏日一歩手前でしたが、26日には9.5度まで急降下しています。
そして、28日には22.5度まで急上昇しています。
体調を崩しがちとなる、寒暖差の大きな日が続いた11月といえるでしょう。
今の寒気はいつまで
寒気の目安として、上空約5500メートルの気温が使われます。
上空約5500メートルの気温が氷点下36度以下であれば大雪の可能性があり、氷点下30度以下であれば平地でも雪になるというものです。
現在、日本付近に南下している寒気は、11月30日朝で、上空約5500メートルで氷点下36度以下の範囲は津軽海峡まで、氷点下30度以下の範囲は東北北部まで南下しています(図4)。
そして、氷点下30度以下の範囲は、なかなか北上しません。
このため、北日本を中心とした冬型の気圧配置は、12月の最初まで続く見込みです。
太平洋側の地方では晴れますが、気温は上がらないので、寒さに注意が必要です。
ただ、週明けの12月4日~5日は、南岸低気圧の通過で気温が上昇し、北海道も含めて、ほぼ全国的な雨となると予想されています(図5)。
今の寒気は今週末まで続き、週明けのほぼ全国的な雨を境にして、気温変動の大きい日々から、この時季らしい(師走らしい)気温が続く日々へと変わる見込みです。
タイトル画像、図4、図5の出典:ウェザーマップ提供。
図1の出典:ウェザーマップ提供資料をもとに筆者作成。
図2、図3の出典:気象庁ホームページとウェザーマップ提供資料をもとに筆者作成。