#ポールマッカートニー ライブ中止による損害額約40億円、ファンの損失額約7億8,100万円
ポールマッカートニーの再来日公演が中止になったことでいろんな憶測がされている。
ポール公演中止で損失10億円?
照明のレンタル代や機材運搬費などを含めると、この日のコンサートのためにすでに5億円以上は使っている。
主催者側は中止などの不測の事態に備え、保険をかけているものだが「初日(17日)の公演は中止ではなく延期と発表したため、保険が適用されない可能性が高い。つまり初日公演の損失は丸々、興行主がかぶることになる」。http://news.livedoor.com/article/detail/8849023/
このニュースは、武道館と大阪の中止が前の段階だ。
ポール「公演すべて中止」チケット払い戻し30億円!興行主は大丈夫か?
4公演のチケット17万枚 およそ30億円分が払い戻しとなる見込み興行主側に聞いたところでは、興行中止保険に入っており、出演者の病気やケガも対象となっているそうで、一定の損失はカバーされるのではないでしょうか
ここでも興行中止保険でカバーされるのでは?という内容。
ポール全公演中止 吹き飛んだ「40億円」かぶるのは誰?
一般的に主催企業は「興行中止保険」に加入し、今回のような不測の事態によるリスクを軽減するが、全損失が保険でカバーされるケースはまれ。主催企業も3~5割を負担することが多い。「損失はおそらく、キョードー東京など主催企業13社がそれぞれ負担することになると思います。20億円の損失が出たとしたら、1社1億5000万円もの負担になる。テレ朝などテレビ局は平気かもしれませんが、体力のないラジオ局などは経営危機に直結しかねません」昨年、今回とほぼ同じ主催企業らは11年ぶりのポールのコンサートで26万人のファンを動員してボロ儲け。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140521-00000021-nkgendai-ent
こちらのニュースでは、興行中止保険でカバーしきれず、13社で負担するという憶測。すべて、これらは、憶測の数字であり、決定額ではない。
ポールマッカートニー 延期の機会損失金は約3億円、遠征組の社会損失2億7,500万円
それぞれが、往復交通費にホテルを換算すると約5万円くらいの旅費がかかっている。遠征組を一回の来場者5万5,000人の10%として考えると、5,500人×5万円として、2億7,500万円の金額が無駄になってしまった。社会には貢献しているが…。
http://bylines.news.yahoo.co.jp/kandatoshiaki/20140518-00035432/
…とボクも公演延期段階で、途中記事を寄稿したが、全公演中止なので、おそらく30億円もの払い戻しが確定している。
前回のポールの来日で、キョードー東京の代表取締役 山崎芳人さんがこんな話をしている。
10年に一回の大仕事〜ポール・マッカートニー、ローリング・ストーンズ来日
ステージの上では、5人だが、3人のコックから、買い出し隊3人、合計すると、120人の大所帯で、大変な契約です(笑)。ゼロの数が我々の感覚と全然違います。(キョードー東京 代表取締役 山崎芳人談)
この数字を元に得意のフェルミ推定で算出してみると…
スタッフの渡航費で、@15万円としても、120人で1,800万円。ペニンシュラのツインルームは一泊、ツインで5万円 VIP顧客割りで50%オフでも2.5万円×60室(120名)で150万円×10日間でも、ホテル代のみで1,500万円。食事がさらに1日1万円としても、1,200万円。そしてギャラを1日@5万とみても、6,000万円。ざっとスタッフ120人だけでも9,300万円 約1億円くらいは、ポール側のスタッフ経費として発生している。これらのコストは、おそらく保険ではカバーされにくいだろう。
なので、総額では、30億円+スタッフ1億円+照明のレンタル代や機材運搬費 5億円+運営費用3億円+返金手数料やら送料で1億円 で合算するとやはり約40億円もの損害が発生している。
ファンが支払った推定総額 約38億3,100万円
【A】約30.5億円チケット返金総額
【B】約5億5,000万円、ファンの移動・宿泊費
【C】約6,600万円の記念グッズ購入
【D】約1億6,500万円のコンサートの代わりの飲み代
【A】〜【D】ファンが支払った合計金額約38億3,100万円
【B】〜【D】での間接的消費額、約7億8,100万円は、国立競技場だけで消えた…。
ポールマッカートニー 公演中止損失金 36.5億円
キョードー東京は大丈夫なのか?
キョードー東京の売上は年間100億円。社員50人で1人あたりの売上は2億円だ。
http://www.kyodotokyo.com/aboutus.jsp
40億円の損失金(売上対損失比率は40%)をどれだけ「興行中止保険」でカバーされるかにかかっているといっても過言ではない。
そして、「興行中止保険」にあまり期待できないのが、ポールのコンサート公演開催の「前科」である。ファンとしては、にわかに信じたくないが、予定されていたコンサートの51%が開催されていないという。
{{{:ポールマッカートニー 来日公演の歴史 公演がおこなわれない確立51%
}}}
この事実をもとに、保険会社側は、掛け金をあげるか、補償率を下げるかの判断をくだしていることだろう。もちろん、キョードー東京側もポール側といろんな場合の契約を交わしているはずだ。
エイベックス・グループ・ホールディングスのライブ事業の利益率を参考にすると…キョードー東京の売上100億円に対する売上総利益率は、29.5%で29億5,000万円/年営業利益率は、5.9%で、5億9,000万円/年
これで考えると、たとえ、保険で20億円カバーしてもらったとしても、年間の総利益のほとんどが吹き飛ぶカタチとなってしまう。営業利益は赤字確定だ。
ファンの返金に約一ヶ月程度かかるのもいたしかたがない事なのかもしれない。ここは、なんとか、がんばっていただきたい。
そして、ポールの1日も早い回復を祈りながら!