育成→支配下へ猛進!ソフトバンク川村、また打った。“親子”出場の二軍開幕戦で弾丸アーチ
3月17日、ウエスタン・リーグ公式戦の開幕戦、福岡ソフトバンクホークスはタマホームスタジアム筑後で中日ドラゴンズと対戦した。
アストゥディーヨが満塁本塁打
【3月17日 ウエスタン・リーグ タマスタ筑後 1271人】
中日 `001003000 4
ソフトバンク `00502200× 9
<バッテリー>
【D】●岡野(0勝1敗)、垣越、松田、根尾――味谷
【H】◯田上(1勝0敗)、古川、甲斐野――渡邉陸
<本塁打>
【H】アストゥディーヨ1号、川村1号 【D】ブライト1号
<スタメン>
【D】8三好 5樋口 9鵜飼 3レビーラ 7ブライト Dガルシア 4高松 2味谷6龍空
【H】9川村 6川原田 5リチャード 7笹川 Dアストゥディーヨ 3野村大 2渡邉陸 8佐藤直 4仲田
<戦評>
春季教育リーグを8連勝(最終戦は引き分け)で締めくくったソフトバンク。ウエスタン開幕戦でもその勢いを見せつけた。
1点を先制されたが、その直後の三回裏に仲田慶介と川村友斗の連打でチャンスを作り、川原田純平の内野ゴロが相手失策を呼んで同点とした。なお1アウト満塁でアストゥディーヨが中日先発・岡野の甘く入ったフォークを左翼ポール際へ鋭い打球を運ぶ満塁ホームランを放った。
アストゥディーヨは五回にもタイムリーを放ち、この日2安打5打点の活躍だった。
六回にはヒットで出塁した佐藤直樹を塁に置いて、川村が右越え2ランを弾丸ライナーで突き刺して勝利を決定づけた。
先発した田上奏大は試行錯誤しながら、自身のスタイルを確立している最中。この日は本調子ではなかったが、五回まではテンポのいい投球を見せた。六回に3点を失いこの回までで降板。6回7安打4失点だったものの勝利投手となり、2年連続開幕投手白星を手にした。
2番手の古川侑利。3番手の甲斐野央はともに一軍オープン戦組だが、登板機会を求めてウエスタン戦に合流。古川は2回無失点で4奪三振をマーク。甲斐野は1回を投げてアウト3つをすべて三振で奪った。両投手ともストレートが力強かった。
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オープン戦一番の成長株
今春のオープン戦での成長株一番手。それは育成枠の川村友斗外野手だろう。キャンプはずっとB組だったが、牧原大成がWBC出場のためチームを離れたこともあり、今月5日から一軍オープン戦に合流した。
藤本博史監督は当初「経験を積ませるため」と話していたが、5日の広島戦で途中出場し“一軍初出場”で2打席連続安打をマークすると、8日のヤクルト戦では右越え適時二塁打に続いて、8-8の同点の九回裏に“幻”のサヨナラ満塁本塁打(惜しくも右翼ポールの右側)を放つインパクト十分のプレーを見せた。
幻サヨナラ満弾翌日に「打ちなおし」
それだけで終わらない。この幻サヨナラ弾の翌日、9日のヤクルト戦では正真正銘の本塁打を右中間スタンドに叩き込んでみせた。コンパクトなスイングに映るが、いかにもリストの強さが際立つ打ち方でボールを飛ばす。藤本監督にも「いいね。支配下に近くなってきた」と言わせてみせた。
この日は打席機会を増やす意図もあり、デーゲームの二軍公式戦に出場して、ナイターの一軍戦の出場にも備える“親子ゲーム”で臨んでいた。
小久保二軍監督「貫禄があった」
小久保裕紀二軍監督も10日間ほどの一軍経験を経た川村のプレーぶりに変化を感じたようで「ちょっと貫禄がありましたね。ホームランもよかったけど、その前にはエンドランもきっちり決めた。短期間ではありますが、本人の手応えもあるんでしょう」と目を細めた。
外野守備や脚力にも定評がある。ソフトバンクは川村を含め育成54人の大所帯ながら、現在支配下67名と残り枠が3つしかなくかなりの狭き門となっているものの「一軍で通用する」という観点では十分クリアしており、今後のチーム編成が注目されるところだ。
※写真はすべて筆者撮影