Yahoo!ニュース

大阪の阪神梅田本店で見つけた。美しい形と色合いがひな祭りにも合いそうな餅菓子 きょうの一口和菓子

decocookie和菓子研究家
美しく折りたたまれた餅菓子、おだまき

もうすぐ上巳の節句(ひなまつり/桃の節句)ですね。2月中旬あたりから色とりどりのひな祭り用お菓子が販売されていますが、今年は何か召し上がりましたか。今回はひな祭り用のお菓子ではないのですが、どこかひな祭りを思わせる美味しい餅菓子がありましたのでご紹介します。

こちらは石川県にある御菓子司たにぐちさんがつくる能登名物の「おだまき」。白が粒あん、ピンクが無花果(いちじく)です。

左がおだまき白(粒あん)、右がおだまき(無花果)
左がおだまき白(粒あん)、右がおだまき(無花果)

原材料名は下の通り。

おだまき白と無花果の原材料名等の情報
おだまき白と無花果の原材料名等の情報

まずはおだまき白(粒あん)からご紹介します。

能登名物のおだまき(粒あん)
能登名物のおだまき(粒あん)

フィルム越しに見えるスジが糸のように見えます。本店がある地域は鎌倉時代から越中・能登・加賀を結ぶ交通の要衝で宿場町として大いに栄えた所と言われており、その頃多く生産された芋麻(ちょま)の集産地だったのだそう。苧麻は能登上布(高級な麻布)として栽培されていた麻で、おだまきはその芋麻にちなんで作られたお菓子です。

フィルムを開けるとおだまきの裏面が見えます。

おだまき(粒あん)の裏面
おだまき(粒あん)の裏面

石川県産のコシヒカリを使用した上新粉を使って作られた皮の餅は、ひとつづつ手で分けた餅を千筋板(せんすじばん)に押し当てスジをつけながら伸ばしたもの。餡を入れて三角にたたんで出来た形はとても美しいです。

続いてピンク(いちじく)。春らしい淡いピンク色です。

能登銘菓のおだまき無花果
能登銘菓のおだまき無花果

無花果は白餡に地元石川県産のいちじくを使用したいちじく餡とのこと。

おだまき(無花果)の裏面
おだまき(無花果)の裏面

お皿に並べてみると、ひな祭りのお内裏様とお雛様のようです。

ひな祭りにぴったりの餅菓子、おだまき
ひな祭りにぴったりの餅菓子、おだまき

横から見たおだまき粒あんと無花果
横から見たおだまき粒あんと無花果

餅皮には艶がありとても柔らかく外郎生地のような感触です。

美しく折りたたまれたおだまきの餅皮
美しく折りたたまれたおだまきの餅皮

おだまき(無花果)を少し濡らしたナイフでカットしてみます。

おだまき(無花果)をナイフでカットしてみる
おだまき(無花果)をナイフでカットしてみる

中にはいちじく餡がたっぷり詰まっていました。いちじくの香りがよくもっちりとした餅生地と合わさりとろけるような美味しさです。

無花果餡がたっぷり入ったおだまき(無花果)
無花果餡がたっぷり入ったおだまき(無花果)

続いておだまき白(粒あん)をナイフでカットしてみると、たっぷりの粒あんが入っていました。粒あんに使用している小豆はすべて北海道産の小豆を使用しています。

ほどよい塩気が美味しいおだまき白(粒あん)
ほどよい塩気が美味しいおだまき白(粒あん)

粒あんは程よい甘さとちょっとした塩気が感じられる餡。みずみずしく柔らかいお餅とあわさって素朴な美味しさでした。

たにぐちさんのつくる能登銘菓「おだまき」は、石川県にある店舗や東京のむらからまちから館で購入できるほか、公式サイトからもお取り寄せが可能(15個入から)です。いちじくは残念ながら公式サイトからのお取り寄せが出来ないようですが、ピンクのおだまきには季節限定のさくら風味があります。他にもよもぎ、黒米・くるみ、金澤柚子などがあり詰め合わせもありました。

今回は大阪の阪神梅田本店にあるおやつテラス「おやつのひきだし」の冷蔵コーナーにて購入しました。お近くにお住まいの方はお買い物のついでにいかがですか。

ショート動画(26秒)でお菓子の質感を撮っています。動画でご紹介しているのは他のお味(黒ごま)です。購入される際のご参考にどうぞ。

今回ご紹介したお店とお菓子
おだまき 粒あん184円(税込) 、無花果184円(税込) 

和菓子研究家

YouTubeにて日本のお菓子と菓子作りを海外に紹介する菓子専門チャンネル「decocookie channel」を運営。伝統的な日本の菓子づくりだけでなく、今現在、海外で人気のある日本の菓子や知育菓子まで、幅広い日本の菓子を紹介しています。Yahooでは、奥深い和菓子を様々な角度からご紹介できればと思っています。

decocookieの最近の記事