47歳。悩んでませんが、心から好きになれる男性と再婚したい気持ちもあります~スナック大宮問答集64~
「スナック大宮」と称する読者交流宴会を東京、愛知、大阪などの各地を移動しながら毎月開催している。味わいのある飲食店を選び、毎回20人前後を迎えて和やかに飲み食いするだけの会だ。2011年の初秋から始めて開催150回を超えた。のべ3000人ほどと飲み交わしてきたことになる。
筆者の読者というささやかな共通点がありつつ、日常生活でのしがらみがない一期一会の集まり。参加者は30代から50代の「責任世代」が多い。お互いに人見知りをしながらも美味しい料理とお酒の力を借りて少しずつ打ち解けて、しみじみと語り合えている。そこには現代の市井に生きる人の本音がにじみ出ることがある。
その会話のすべてを再現することはできない。参加者と日を改めてオンラインで対話をした内容をお届けする。一緒におしゃべりする気持ちで読んでもらえたら幸いだ。
***サチコさん(仮名。バツイチ、47歳)との対話***
「自分らしく生きているな」と感じると好きになる。人はやっぱり中身が大事です
――初めてのスナック大宮はいかがでしたか?
私の一回りぐらい年上の女性が参加していて、その人とずっとおしゃべりしていました。私と同じく離婚歴がある人で、再婚相手を探したいとおっしゃっていたんです。この年齢になると婚活の話ができる人が限られてくるので、貴重な場だと思いました。
――スナック大宮は婚活パーティーではありませんが、婚活中の独身参加者も少なくありません。勝手に仲良くなって結婚したと報告してくれたカップルも過去5組ぐらいいます。どなたか気になる男性はいませんでしたか?
特にはいませんでした……。もしいたら、自分のほうから連絡先交換をお願いする自信はあります。
――サチコさんはどんな男性が素敵だなと思うのでしょうか。
会話をしていて「この人は自分らしく生きているな」と感じるときですね。人はやっぱり中身が大事です。
若い頃は、面白いことを言ってくれるようなわかりやすい男性に惹かれやすかったです。それで失敗してしまいました。離婚したのは11年も前のことになりますけど。
楽しくて気が合う男性と結婚したら、人としてむちゃくちゃだと判明
――どこで知り合ったどんな男性だったのですか?
mixiのあるコミュニティのオフ会で知り合った2歳年下の会社員でした。会話が成り立たない男性も多い中、その人はしゃべっていて楽しくて「気が合う!」と思ったんです。すぐにお付き合いをして、1年半後に結婚しました。でも、共同生活を始めてみると人としてむちゃくちゃだとわかったんです。
将来のことを考えていると言っていたのに貯金はゼロで、とにかく約束を守れない人。「予約する」「申し込む」と言ったこともいつまでもやらないことが続いて、嫌になってしまいました。
――有言不実行のパートナーは確かに困りますね。サチコさんは再婚したいのですか?
実のところ、自分でもよくわかっていません。離婚した後に何人かとお付き合いしましたが結婚には至りませんでした。恋愛の繰り返しで問題ないかもと思いつつ、心から好きになれる人と出会ってもう一度結婚したい気持ちもあります。
でも、好きな経理の仕事があって、一人のときはのんびりテレビを見て過ごせているので悩むほどではありません。お笑いからドラマ、旅番組など幅広く楽しめるので録画していろいろ見ています。
――今の仕事は長いんですか?
勤務先はよく変わっています。今の会社で10社目ぐらいでしょうか。居心地が悪くなったら転職しています。ただし、ほぼ一貫して経理の仕事です。
数字が多くて大変そうと言われがちな職種ですが、経理で扱う数字とロジックはどの業種も同じなので、一度それをつかんでしまえばシンプルでわかりやすい仕事だと思っています。去年から勤務している今の会社は会社の方向性に賛同できるのでストレスはありません。長く働き続けられそうです。
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自分から腹を割って話をすれば、相手の意外な良さを引き出しやすくなる
以上がサチコさんとの対話だ。30代前半の頃の彼女のように、初対面でも楽しませてくれる男性に好意を持つ女性は少なくない。しかし、アラサー以上の年齢で第一印象が素敵な独身男性はパートナーとしては「ハズレ」である可能性が高いと筆者は思う。モラハラ気味だったり、下手をすると「心だけ独身の既婚者」だったりする。
むしろ、第一印象は良くないけれど面白みや優しさがじわじわとにじみ出るような人を探してほしい。探すというよりも開発する、と言ったほうが正しいかもしれない。会話とは相互作用なので、こちらが腹を割って本質的な話をすれば、相手の意外な一面を引き出しやすくなる。
サチコさんの場合は、経理という仕事の面白さや苦労に関してはスナック大宮では語っていなかった。次の機会にはぜひ話してみてほしい。緊張気味で口数が少ない男性も「僕は総務の仕事がすごく好きで…」などと話し始めたりすると思う。まずは自分が腹を割ること。それに続くやりとりの中で、サチコさんが好むような「自分らしく生きている」人が見つかるかもしれない。