西・東日本の厳冬 ラニーニャが影響
ラニーニャ現象が最盛期を迎え、西・東日本の寒さに大きな影響を与えた。ラニーニャは今後、縮小に向かい、この春には終わる見通し。でも、影響は続く。
西・東日本に強い寒気が流れ込む
気象庁は9日、定例のエルニーニョ監視速報を発表しました。エルニーニョ監視海域の1月の海面水温は基準値より1.1度低く、昨年11月から3か月連続で基準値を1度以上下回りました。赤道付近を吹く貿易風(東風)は強く、海洋と大気ともにラニーニャ現象時の特徴を表しています。
1月は度重なる強い寒気の影響で、西・東日本で気温が平年を下回りました。11日は新潟県で局地的な大雪によりJR信越線が立ち往生、22日は東京都心で積雪が23センチに達する大雪になりました。
ラニーニャ現象により太平洋赤道域西部で海面水温が高くなったため、雲の発生が盛んになりました(対流活動が活発)。このことにより日本付近を流れる偏西風が影響を受けて、西・東日本に強い寒気が流れ込みやすくなったとみられます。
ラニーニャはピークを過ぎる
日本列島の天候に影響を与えているラニーニャ現象。今後はどうなるのでしょう?
ラニーニャ現象はピークに達し、今後は暖水が東へ移動するため、太平洋東部の冷水塊は縮小に向かいます。太平洋中部から東部にかけての海面水温は徐々に高くなる見通しで、ラニーニャ現象はこの春で終わる可能性が高くなっています。
春は気温が低く、晴れの日多い
ラニーニャ現象は今後、終息に向かいますが、しばらくは影響が残ります。
この春の天候予想ではラニーニャ現象を意識した内容となっていて、春にかけても気温の低い状態が続きそうです。また、暖かく湿った空気の影響を受けにくいことから、関東地方から九州、沖縄にかけての地域では晴れの日が多くなる可能性があります。
世界的に影響を及ぼすラニーニャ現象。終わりが見えてきても、まだまだ目が離せません。
【参考資料】
気象庁:エルニーニョ監視速報No.305,2018年2月9日
気象庁:向こう3か月の天候の見通し(2月-4月),2018年1月24日
オーストラリア気象局:ENSO Wrap-Up,La Nina likely past its peak as Pacific sea surface temperatures warm,30 January 2018