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PayPay40%還元、吉野家並サイズならば9.7杯分お得になる!

神田敏晶ITジャーナリスト・ソーシャルメディアコンサルタント
PayPayの2020年2月の40%還元キャンペーン

KNNポール神田です。

消費税率10%と共に始まった政府のキャッシュレス還元も残るところ、あと5ヶ月と少しとなった(令和2年 2020年6月まで)。

その中でも『PayPay』のアクティブな利用率の成長が目立つ…。

□2020年1月17日時点で、PayPayのユーザー数は2,300万人超、加盟店申込数は185万箇所となり、決済回数は単月で1億回を超えた。

□第1弾の100億円還元キャンペーンを実施した2018年12月と比較して、2019年12月の決済回数は22倍に増加した。

出典:“打倒クレジットカード”を目指すPayPay 2020年中に金融サービス提供へ

出典:日経クロストレンド
出典:日経クロストレンド

□WAONやnanacoを抜いたPayPay

□現金を除く、全キャッシュレス決済サービスの利用率は、ランキング上位から1位が「クレジットカード」(84.8%)、2位が「PayPay」(37.2%)、3位が「WAON」(34.7%)となった。以下、4位「nanaco」(32.7%)、5位「プリペイドカード」(32.6%)と続く。

出典:PayPayの利用率、既にクレカに次ぐ 調査で分かった新事実

■2020年2月1日(土)〜29日(土)の40%還元

そして、来月2020年2月からは、全国の飲食店チエーンで40%ポイント還元のキャンペーンが一ヶ月間にわたり開催される。

□吉野家や松屋、すき家、サンマルクカフェなど全国6500店舗以上の飲食チェーンと、日本コカ・コーラが設置する21万台以上の自動販売機での支払いが対象になる。

□期間は2月1~29日の約1カ月間で、1回に付与される金額の上限は500円相当、期間中は1500円相当となる。3月にはスーパーマーケットとのキャンペーンも予定している。

□ペイペイの中山一郎社長は、同日都内で開かれた記者会見で「まだ使っていない人に使うきっかけを提供したい。キャッシュレスをより身近に感じてもらいたい」と語った。累計登録者数は2300万人を突破したが、「スマホ利用者7000万人までは伸びしろがある」と中山社長は利用者拡大に意欲を示した。

出典:ペイペイ、飲食店や自販機の支払いで4割還元

しかし、『上限』をよくよく計算してみると『1回500円相当』なので、『一回の使用上限総額が1,250円』まで。期間あたりの上限が、1,500円相当なので、『総額3,750円』までとなることを頭に想定しておいてほしい。ソフトバンクやワイモバイルユーザーなどの「Yahoo プレミアム」会員は40%ではなく50% が付与されるが上限は同じ。

■実質、吉野家では牛丼並盛387円を233円(40%割り)で期間中に9.7杯分食することができる

吉野家のメニュー表 出典:吉野家ホールディングス
吉野家のメニュー表 出典:吉野家ホールディングス

ちなみに、吉野家の牛丼 並盛り387円(352円+税35円)で考えると…。1回あたり40%(▲154円)のポイント還元で実質233円での4割引で食べることができる。2月の約1ヶ月で総額1500円相当なので、9.7回分は、実質233円で食することができることとなる。実質29日間に9.7回食べるとすると、3日に一度食することができる計算が成立する。

吉野家→松屋→すき家→サンマルクカフェ→はなまる→日高屋→コカコーラ→サーティーワンアイスクリーム などをルーティーンに取り入れることは十分に可能だ。また、PayPayでは、2020年3月からは、昨年同様にスーパーマーケットでのポイント還元が計画されているが、詳細は未定だ。

キャンペーン参加店舗 出典:PayPay
キャンペーン参加店舗 出典:PayPay

https://paypay.ne.jp/event/restaurant/

■Yahoo! JAPANカードからチャージするには1月中に!Tポイント1%分が廃止に!

ただ、良いことばかりではなく、2月からはTポイント1%分が廃止になることもすでに発表されている。

Yahoo!JAPANカードからの1%が廃止に 出典:Yahoo!JAPAN
Yahoo!JAPANカードからの1%が廃止に 出典:Yahoo!JAPAN

□このたび、2020年2月1日(土)より一部ご利用分のクレジットポイント進呈を以下のとおり改定いたします。改定後の内容は以下をご確認ください。

□変更内容

「PayPay決済」「PayPay残高チャージ」および「nanacoクレジットチャージ」ご利用分へのクレジットポイント進呈を廃止いたします。

出典:PayPay・nanacoクレジットポイント変更のお知らせ

つまり、1万円分のPayPay残高チャージで100円。10万円分のPayPay残高チャージで1,000円のTポイント分が廃止になる。たかが1%、されど1%である。

銀行の普通預金の金利0.001%を考えると、たったの1回のチャージで1,000倍の利率の高さだから、2020年1月中にYahoo! JAPANカードの余裕のある資産からPayPay残高へ現金をチャージしておいたほうがお得だ。また、目安としては、2020年6月以降、政府ポイントがなくなるまでの5ヶ月間に消費する金額は、チャージしておいてまず損はないだろう。

■PayPay金融資産へのミニプログラムへの取り組み

むしろ、日本でこれだけ浸透してきた『PayPay』の本領発揮は、2020年春頃に予定されている金融商品への取り組みといえるだろう。還元ポイントキャンペーンによる実弾で、使い勝手とお得さがアピールできている土壌に、今度はダウンロード不要のミニプログラムによる、個人向けローンや、ビジネスローン、投資、保険、後払いなどが計画されている。入金先の口座があり、QRコード決済での使い方を1年以上に渡り、国民が経験してきている。さらに、今までにはないスマートフォンによる金融サービスの時代が2020年、本格的に始まろうとしている。当然、今までのPayPayの原資バラマキ戦略は、これらの金融商品を獲得するための機会創出であることは明確である。

そう、どこからどこまでお得なのかの金融商品に対するバランス感覚は絶対に必要だ。くれぐれもリボ払いでポイント還元がお得と感じる人は今後とも要注意であることは間違いない。

ITジャーナリスト・ソーシャルメディアコンサルタント

1961年神戸市生まれ。ワインのマーケティング業を経て、コンピュータ雑誌の出版とDTP普及に携わる。1995年よりビデオストリーミングによる個人放送「KandaNewsNetwork」を運営開始。世界全体を取材対象に駆け回る。ITに関わるSNS、経済、ファイナンスなども取材対象。早稲田大学大学院、関西大学総合情報学部、サイバー大学で非常勤講師を歴任。著書に『Web2.0でビジネスが変わる』『YouTube革命』『Twiter革命』『Web3.0型社会』等。2020年よりクアラルンプールから沖縄県やんばるへ移住。メディア出演、コンサル、取材、執筆、書評の依頼 などは0980-59-5058まで

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