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【2024年】3900湯を巡ったライターが振り返る「一人旅で泊まってよかった温泉宿5選」(西日本編)

高橋一喜温泉ライター/編集者

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2024年もさまざまな温泉地をひとり、「ソロ温泉」で巡ってきた。やはり気楽なひとり旅は最高である。

ということで、2024年に訪ねた温泉地の中で、ひとりで泊まってよかった宿を西日本エリアに絞って5カ所紹介したい。

小浜温泉・蒸気屋(長崎県)

雲仙国立公園の西麓、橘湾に臨む風光明媚な温泉地。海沿いに10軒ほどの宿がある。100度前後の高温の温泉が湧き出す温泉街には、白い湯煙がもくもくと立ち上り、温泉情緒を高めてくれる。なかでも「湯宿 蒸気屋」は建物が激しく噴出する蒸気に包まれるほど。小浜名物である蒸し釜を使って温泉蒸気による蒸し料理を体験できるのが魅力で、野菜や魚介、肉などを買ってきて自ら調理できる。素泊まりが基本なので、ひとりでも自由度の高い旅ができる。なお、温泉街は夕陽の名所として知られ、海に面した露天風呂や日本一長い足湯なども気分転換するには絶好のスポットだ。

あさくら温泉・ホテルグランスパアベニュー(福岡県)

朝倉市の甘木駅近くにあるホテル。外観は市街地によくあるホテルだが、上質な自家源泉がかけ流し。pH10の強アルカリ性の透明湯は、甘い硫黄の匂いを放ち、スベスベとした肌触り。小さな湯の花も見られる。湯量も豊富で、2つに分かれた30人くらい入れそうな大浴槽からはかけ流しにされた湯が勢いよくあふれ出していく。だから入浴客が多くても、快適な湯浴みが楽しめる。ビジネスユースのホテルでは全国トップクラスの温泉といってもよく、温泉目当てで訪れる価値がある。ビジネスホテルなので、当然ひとりでの宿泊も問題ない。

皆生温泉・海潮園(鳥取県)

白浜が美しい海岸沿いに湯煙を上げる皆生温泉。もともと歓楽的要素が強く、大型の温泉宿が多いため、ひとりでは敬遠しがちだったが、かつて日帰りで訪ねて気になっていた「海潮園」に宿泊。規模は大きくないけれど、落ち着いた純和風の老舗旅館だ。皆生温泉で最古の露天風呂とされる湯船には塩化物泉がかけ流し。皆生では貴重な、しっかり湯の個性を感じられる湯船だ。キャパも大きくはないので、ひとりでも静かに滞在できる。

玉造温泉・翠鳩の巣(島根県)

玉造温泉は『枕草子』に記述があることから三名泉のひとつに数えられる温泉地。「美肌の湯」として評判の源泉で、女性にも人気が高い。大型の旅館が多く、源泉かけ流しの湯船が少ないのが玉に瑕だが、温泉ゲストハウス「翠鳩の巣」は、小ぶりながら源泉かけ流しの内湯をもつ。無色透明の清澄な湯は肌にしっとり馴染み、「美肌の湯」を実感できるクオリティ。館内もリノベーションされていて、清潔感がある。1泊素泊まり4400円~(簡易個室ベッドルーム)からで、シングルルームでも4950円~。朝食付きプランもあり。

湯原温泉・プチホテルゆばらリゾート(岡山県)

湯原温泉は美作三湯のひとつで、川沿いに十数軒の宿が並ぶ。歓楽的な要素はないが、昔ながらの鄙びた風情が魅力の静かな温泉街だ。開放的な混浴露天風呂「砂湯」が名物で、川底から源泉が湧き出す「足元湧出泉」。全国でも大変貴重な露天の共同浴場である。温泉街の中心にある「プチホテルゆばらリゾート」の自慢は屋上にある貸切露天風呂。ひとりで入るにはちょうどよいサイズの檜風呂と釜風呂にはアルカリ性の透明湯がかけ流しにされている。洋風の創作料理も美味。

温泉ライター/編集者

温泉好きが高じて、会社を辞めて日本一周3016湯をめぐる旅を敢行。これまで入浴した温泉は3900超。ぬる湯とモール泉をこよなく愛する。気軽なひとり温泉旅(ソロ温泉)と温泉地でのワーケーションを好む。著書に『日本一周3016湯』『絶景温泉100』(幻冬舎)、『ソロ温泉』(インプレス)などがある。『マツコの知らない世界』(紅葉温泉の世界)のほか、『有吉ゼミ』『ヒルナンデス!』『マツコ&有吉かりそめ天国』『スーパーJチャンネル』『ミヤネ屋』などメディア出演多数。2021年に東京から札幌に移住。

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