「Googleで検索すると文字が出てくるからリアルじゃない」という右脳系ソーシャル
KNNポール神田です!
instagramの人気が理解できないオトナになってしまったんだと痛感している日々…。
「Googleで検索すると文字が出てくる…リアルじゃない」の表現がユニークだ。Instagramで検索するということは興味のある言葉やキーワードを #ハッシュタグで検索することによって、画像が続々と登場するから『リアル』だという。
なんでも『ググる』から『ハッシュタグ検索』へ
Googleはアルゴリズム検索であるから、価値ある情報を上位に表示するようにプログラムされている。決してSEO対策がされているから上位に表示されるわけではない。しかし、被リンク側から評価されている記事などは、自ずからオーガニックなSEO処理として、上位に表示される。当然、それは編集されている記事であったり、たくさんの人が滞在していた記事である事が多い。
一方、InstagramやPinterestなどの画像中心のSNSは、物事を知りたい、調べたいということよりも、その画像に似ているものとの接点を供給するものである。だから、意味ではなく、その画像からイメージされる直接的なワーディングが #ハッシュタグ で表現される。
Instagram では、文章ではなく、#ハッシュタグ による文章表現がなされている。
instagramで #かわいい で検索すると、かなり #かわいい とされる価値観を右脳で感じ取ることができる。さらに #kawaii で検索すると、世界的な #kawaii という価値観を知ることができる。
有名パンケーキ屋をググると、店舗情報ばかりでリアルでない
実際に、原宿の有名パンケーキ屋をググると、ショップの公式ウェブサイトと、食べログ、ぐるなび、Rettyと続く…このようなスタティックな左脳で理解する情報を彼女たちは求めていないのだ。
今、どんな子が、パンケーキ屋でリアルで食べているものが知りたいのだ。
instaguramでハッシュタグ検索すると、リアルなパンケーキ屋でのテーブルの上が飛び込んでくるのである。
もしかすると、その子がまだ店で食べているかもしれないくらいのフレッシュで右脳を直撃する画像なのだ。
すると、パンケーキでお誕生日おめでとうというローソクを立てているパンケーキが飛び込んでくる。
こんど、誕生日会を、ここでやりたいというモチベーションへと変わるのだ。
これが、彼女たちが語る「リアル」なのである。スタティックで整理されて編集された情報ではなく、素のママの「レア」で「ライブ」な情報を「リアル」と評しているのだ。
左脳検索から右脳検索へ
instagramの広告が米国を中心として好調だ。日本もブレイクしている。twitterの広告主は13万社で、ユーザー数は3億2000万人。一方、instagramは広告主20万社を超え、ユーザー数は4億人を超えている。広告主の4分の3は米国外というのも、ノンバーバル(非言語)な検索がなせるワザなのだ。
米インスタグラム、5カ月で広告主が20万社超
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160225-00000047-reut-bus_all
今までのネットは、情報を得るためのGoogleによる左脳検索だった。しかし、現在は、#ハッシュタグで気分を表すレアな情報の素材を検索する右脳検索というヴィジュアル検索が若年層を中心に普及している。スマホで最初の#ハッシュタグを検索すれば、あとは右脳に響いたページを指でタッチするだけで、いろんな#ハッシュタグで情報がストリームされるのだ。いや、情報というようなものではなく、彼女たちに言わせれば、もっと #ふわふわ で #もこもこ で #かわいい ものが #いっぱい なんだろう。
GoogleがIPO(2004年)をしてから12年。誰もが今更、検索などではイノベーションが起きないと思っているからこそ、ハッシュタグによる次世代の検索の市場があるのかもしれない。
2016年現在のソーシャルメディアをマッピングしてみた。軸はオープン軸クローズ軸とストリーム軸、ストック軸