「芝居が大嫌いだった」。「円神」中本大賀が語る演じることへの思い
9人組男性ユニット「円神-エンジン-」のメンバーで、読売テレビの連続ドラマ「江戸モアゼル~令和で恋、いたしんす。~」に出演中の中本大賀さん(20)。抜群の歌唱力を誇り、ユニット内でもメインボーカルを務めていますが、自身の特性を生かした今後のビジョン。そして、個人的な思いをたっぷりと乗せた夢を語りました。
芝居が大嫌いだった
「江戸モアゼル―」が初めてのレギュラー出演のドラマだったので、最初は何をしていいのか、不安要素の方が多かったんです。
有名な俳優さんもたくさんいらっしゃって、失礼なことがあってはいけない。とにかく、その意識ばかりが強くて。
「自分がこうしてみたい」ということよりも、ミスをしない方に力を使うと言いますか。最初はそういう意識で収録が始まったんですけど、回を追うごとにやりたいことも少しずつできるようにはなってきました。自分で言うのは本当にアレなんですけど(笑)、そこは成長と呼べる部分なのかなと。
あと、ドラマの主題歌を「円神」として歌わせてもらっているのも、すごく大きなことだと痛感しています。
現場のどこに行っても、誰かが自分たちの曲を口ずさんでくださっている。その時点で、すごく力をもらえると言いますか、独特の後押しをされる感覚があるんです。
ただ、最初この世界に入った時は、お芝居が本当に苦手で。もっとストレートに言うと、大嫌いだったんです。
自分が一番得意なのは歌。そして、そもそも、この世界にはアイドルにあこがれて入ってきた、そんな中で、演技と言われても、正直「ん~…」という感じだったんです。レッスンを受けていても、どうも気持ちが前に進まない。
でも、実際にドラマをやらせてもらって現場を経験するごとに、どんどんひかれていったんです。
自分の顔ではない
最初に出していただいたのはテレビ朝日「未解決の女警視庁文書捜査官」だったんですけど、その放送を見て、意識が一変したんです。
テレビに映っている自分が、中本大賀ではなかったんです。バスケ部員役だったんですけど、その役の顔になっていた。
歌っている時の自分は、何を歌っても、どこまでいっても中本大賀なんです。でも、お芝居をしている時は全く違う。そこに驚いたし、面白みを感じたし、俳優というものへの思いがその瞬間にこみ上げてきたんです。
以前から応援してくださっている方は、いわばアイドル的にキラキラした中本大賀を見たいと思ってくださっているのかもしれませんけど、それ以外の顔もお見せすることがいろいろな幅を広げることにもなるし、僕としては、そちらをお見せしたいなと。
今回の作品でも、主演の岡田結実さんの切り替えを見て、心底勉強させてもらっています。カメラが回る直前までは、いわゆる岡田結実さんなんですけど、回った瞬間、役柄の花魁になってるんです。
まさに、この顔と空気の切り替えが、僕が目指しているものでもあるし、そういうことができる俳優になりたいなと思っています。
大きな夢
今年の目標としては、大きなことになってしまうかもしれませんけど、ドラマで主演をしたい。そう思っています。
そうやって大きなところに自分が立つことが「円神」にもプラスになるでしょうし、意味のあることじゃないかなと。
あと、そうやってお芝居の仕事をしっかりとやりながら、歌の仕事もやる。菅田将暉さんのように、俳優を軸にしながらも、歌も歌われる。そうなったら、自分の一番の武器である歌と、自分がやりたい俳優がすごく有機的に絡んでいくのかなと思っていまして。
それと、これは僕の個人的な思いなんですけど、昔から野球が大好きで、特に僕は大阪出身なので、阪神タイガースが大好きなんです。ウチでリクガメを飼ってるんですけど、その名前もバースですし(笑)。
昨シーズンも、全試合見てましたし、これは自信があるんですけど、タイガースに関する知識は、他の芸能人の人には負けないと思っています!
夢は、甲子園で始球式をすることです。これは歌でも、ダンスでも、お芝居でもないですけど、実はそれがすごく大きな夢なんです(笑)。
(撮影・中西正男)
■中本大賀(なかもと・たいが)
2001年2月17日生まれ。大阪府出身。9人組男性ユニット「円神-エンジン-」のメンバー。ユニット内ではメインボーカルを務める。昨年、テレビ朝日「未解決の女警視庁文書捜査官」でドラマ初出演。同年「円神」として配信シングル「ENJIN」でメジャーデビューを果たす。読売テレビの連続ドラマ「江戸モアゼル~令和で恋、いたしんす。~」に大河内拓馬役で出演中で、主題歌「Say Your Name」も「円神」として担当している。