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仁香、迷って、もがいて、たどり着いた美痩せの極意

中西正男芸能記者
モデルとして活躍中の仁香

 女性ファッション誌「STORY」などで活躍するモデルの仁香(にか)さん(42)。股下87センチの美脚を誇りますが、20代後半、1年間で13キロ増量してしまった経験をもとに、正しく歩くこと、そして自分を追い込まない“美痩せ”にたどり着きました。姿勢&ウォーキングアドバイザーとしても活動し、22日には著書「美人な歩き方」も上梓。試行錯誤を繰り返し、苦悩の中でつかみ取ったダイエットの極意を明かしました。

なかなか痩せないな…

 いっきに太ったのは、27歳の頃でした。1年ほどで13キロ増えたんです。

 普通に、いち女性としても太ったら精神的に滅入ると思うんですけど、私の場合は、モデルという職業もありますし。女性としてのショックに加え、仕事も失うことになる。太ってきたら、ダブルで焦りが押し寄せてくる。

 もともと太る体質ではなかったのと、以前は、多少体重が増えたとしても、3日くらい意識していたら元に戻ってたんです。でも、27歳くらいから戻らなくなってきた。

 あれ、なかなか痩せないなぁ。うわ、5キロも太っちゃった。すぐに痩せなきゃ。ハードなダイエットをやった。1カ月で戻った。でも、大変だった反動で食べて7キロ太った。何をやってるんだ、もっと痩せなきゃ。焦る。さらにハードなことを試す。無理が重なる。また太る。その結果、最終的に13キロ太ってしまったんです。

悶々とした日々も

 ダイエット、いくつやったか数え切れませんけど、目につくものは全て試しました。置き換えダイエット、炭水化物抜き、ボクササイズ、クラシックバレエ。果ては、酢を瓶ごと丸のみする。アメリカからダイエットサプリなどを個人輸入する…。

 ただ、13キロ太ったといっても、普通の感覚で言ったら、ま、体格のいい女性といったくらい。そうやって、ニュートラルに今は見られるんですけど、当時はモデルというアタマがとにかく第一にあったので、痩せているのが自分の存在価値と思っていた。その中でのプラス13キロ。これはありえないことだと。

 そこから2年ほど悶々とした日々を過ごし、29歳になった。今は年齢を重ねていったら、それはそれで新たなお仕事に移っていく土壌がありますけど、当時はその年齢になってくると、もうモデルとしては厳しいという雰囲気がまだまだありました。

 もし痩せたところで誰が私を使ってくれるんだろうか。転職してモデルでなくなったら、このままでいいのに…。そんな思いが渦巻き、モデルを辞めたんです。そして、当時流行っていたゲルマニウム温浴サロンを始めることにしたんです。

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えっ、これ、何なの!?

 そうなると、もう、職業はモデルじゃないですから。無理に痩せようと思わなくてもいい。これまでみたいなダイエットは何もせず、忙しかったですから3食しっかりと食べて、仕事に邁進(まいしん)していました。忙しかったし、痩せようという意識もないので体重計にも全然乗ってなかったんですけど、半年ぶりくらいに、ふと計ってみたら、驚きました。7キロ痩せていたんです。「え、これ、何なの!?」と。

 あまりにも意外な結果だったんで、何が原因なんだろうと。よく考えたら、サロンを始めてお金もなかったので、サロンから自分の家まで歩いて帰ったり、とにかくよく歩いていたんです。別に痩せるためということではなく、必要に迫られて。これかと…。

 そこから歩くことを意識するようになって、正しい歩き方や効果的な歩き方を自分なりに勉強していき、今に至るという感じです。モデルという仕事もあり、痩せることにはすごく詳しいと思っていた。なのに、痩せなかった。そして、意識しなくなったら自然と痩せた。これが自分でも衝撃的で、そのポイントになった歩くことへの興味がすごく高まっていったんです。

いい歩き方で大きく変わる!

 2~3年前からはモデルのほかに姿勢&ウォーキングアドバイザーとしても活動をさせてもらっているんですけど、歩くって、なかなか意識しにくいところでもあるんです。というのは、歩くって、子どもの頃から意識せずにやってきて、当たり前のこととして日々やっている。子どもがお箸の持ち方を習ったりするみたいに、正しいフォームを改めて習うという機会がほとんどないまま大人になっていきますから。

 いい歩き方をすると、足全体の筋肉をものすごく使うんです。少しだけ説明をさせてもらうと、放っておくと、多くの人は足が外に広がってるんです。靴の底が外側から削れていく人はそういう歩き方をされている。それを足の内側を意識して、分かりやすくいうと、お尻をギュッと引き締めるような感覚で歩くと、それだけで全然違うんです。

 だけど、全部その歩き方にしなくてもいいんです。少しでも取り入れてみる。それでOK。こうやるべきだという決まりを作っちゃうと、それができなくなった時にもうイヤになっちゃいますから。ストイックにやるよりも、ダラダラでもやり続けた方が結果は出ますから。

 要はいかに無理なく続けられるか。1週間後にゴールがあるんだったら、誰でも痩せられるんです。それくらいは我慢がきるから。でも、そこで人生が終わるわけじゃない。我慢はいつか無理につながる。だから、そういうダイエットをしても結局は意味のないことになってしまう。最終的にはココロの持ち方というか、意識の問題だなとも気づきました。

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うまく横取りしてもらえれば

 人によったら「そんな思想的なことを言われても、そんなんで痩せないし…」とおっしゃる方もいらっしゃいます。でも、どんなことをやるにしても、一生続けられるものじゃないと、結局どこかで我慢の限界が来てしまうわけですから。歩くのはほとんどの人が普通にやること。だったら、そこに知恵だけ注入してみよう。それが行きついたところだったんです。

 歳をとったら、普通はみんな太っていきます。ダイエット、そして、自分の体といい付き合いをしていくしかない。私も実感してますけど、40代にもなってくると、無理が病気にもつながる。いい格好をするわけじゃなく、あれこれ試しまくった経験があるので、私が人生を使って得たものをうまく横取りしてもらえたらうれしいですね(笑)。

■仁香(にか)

1975年7月7日生まれ。東京都出身。18歳の時に「CanCam」の専属モデルとなり、数々の雑誌で活躍。その後、急激な体重増加によりモデル活動を休止。ゲルマニウム温浴サロンの経営者に転身する。その中で、ナチュラルに痩せていく自分に気付き、13キロの減量を成功させる。活動休止から3年後に復帰を果たし、雑誌「STORY」などで活躍。1児の母でもある。22日に著書「美人な歩き方」を上梓。

芸能記者

立命館大学卒業後、デイリースポーツに入社。芸能担当となり、お笑い、宝塚歌劇団などを取材。上方漫才大賞など数々の賞レースで審査員も担当。12年に同社を退社し、KOZOクリエイターズに所属する。読売テレビ・中京テレビ「上沼・高田のクギズケ!」、中京テレビ「キャッチ!」、MBSラジオ「松井愛のすこ~し愛して♡」、ABCラジオ「ウラのウラまで浦川です」などに出演中。「Yahoo!オーサーアワード2019」で特別賞を受賞。また「チャートビート」が発表した「2019年で注目を集めた記事100」で世界8位となる。著書に「なぜ、この芸人は売れ続けるのか?」。

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1999年にデイリースポーツ入社以来、芸能取材一筋。2019年にはYahoo!などの連載で約120組にインタビューし“直接話を聞くこと”にこだわってきた筆者が「この目で見た」「この耳で聞いた」話だけを綴るコラムです。最新ニュースの裏側から、どこを探しても絶対に読むことができない芸人さん直送の“楽屋ニュース”まで。友達に耳打ちするように「ここだけの話やで…」とお伝えします。粉骨砕身、300円以上の値打ちをお届けします。

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