名シンガー×名アレンジャー×スーパーバンドが、クリスマスセッションで紡ぐ“幸せな”音楽
生演奏にこだわり、“時を超えた、ここでしか聴くことができないサウンド”がコンセプトの音楽番組『Sound Inn S』(BS-TBS)の、毎年恒例のクリスマススペシャルが、12月18日(土曜日 19:00~20:00)にオンエアされる。今年は森山良子、松崎しげる、野口五郎、八神純子が登場。クリスマスソング、映画音楽、そして自身のヒット曲を、船山基紀、笹路正徳、斎藤ネコ、冨田恵一、本間昭光、坂本昌之、大嵜慶子という現代の音楽シーンを代表するアレンジャーが手がけるアレンジで披露。名うてのミュージシャンが集まったバンドとの一夜限りのセッションを楽しんでいる。一流同士のセッションからは、幸せな時間が生まれている。
大嵜慶子がアレンジした、この時季に欠かせない名曲をミックスし、アレンジした「Overture」からスタートだ。心を躍らせてくれる素晴らしいオープニングナンバーから、スペシャルな夜はスタート。
野口五郎は冨田恵一のアレンジで「White Christmas」を披露。冨田がスタンダードナンバーにクールさと甘さを加え、より優雅なサウンドにアレンジ。野口が優しくも力強いボーカルを響かせる。もう一曲の「慕情」は名匠・船山基紀のムーディーなアレンジで歌った。船山は、筒美京平が楽曲を手がけた野口のアルバム『ラスト・ジョーク GORO IN LOSANGELES'79』のアレンジを手がけ、共にロサンゼルスでレコーディングしたという深い付き合いだ。この日、野口は船山がアレンジし指揮するサウンドを、全身で心ゆくまで感じながら、歌を届けた。
おなじみのディズニーソング「星に願いを」を歌ったのは、森山良子。アレンジは坂本昌之が手がけ、伸びやかで豊かな声量で思いを伝える。様々なアーティストがカバーする誰もが知る曲だが、寒いこの時季、森山の歌声がより温もりを届けてくれる。森山は「Over The Rainbow」でも美声を聴かせてくれた。斎藤ネコの優雅なアレンジのサウンドが、どこまでも伸びやかなボーカルを更に引き立てる。
冨田恵一がアレンジした松崎しげる「愛のメモリー」は必聴だ。松崎のボーカルとオリジナルのアレンジをリスペクトしながらも、パンチと繊細さを感じさせてくれるホーンとストリングスが印象的な冨田カラーのアレンジと、松崎の圧巻の表現力が相まって、素晴らしいセッションになった。新しい「愛のメモリー」が生まれた。松崎はさらに「この曲を初めて聴いた時、小学生ながら刺激を受け、音楽っていいなって思うきっかけになった」という「Stardust」を歌った。アレンジを手がけたのは船山基紀。船山が作ったサウンド、ひとつひとつの音をまるで慈しむように捉え、感じながら歌っていた。
八神純子も変わらないボーカルパワーで名曲「みずいろの雨」を、本間昭光のアレンジで披露した。本間のアレンジが八神のボーカルのエモーショナルな部分をより立たせて、歌が心に飛び込んでくる。もう一曲は「The Christmas Song」を笹路正徳の、ゴージャスかつ柔らかで心温まるアレンジのサウンドに乗せ、気持ちよさそうに歌った。その歌はどこまでも瑞々しく、心に潤いを与えてくれる。
また、1974年~81年まで放送されていた同番組の貴重なアーカイブ映像から、映画音楽などの名曲カバー、アーティストのコラボシーンなどを振り返るコーナーも見逃せない。昭和の名シンガーの歌は、どれもドラマティックだ。そしてその歌を彩る豪華なバンドによる煌めくようなサウンドにも注目したい。音に徹底的にこだわるその姿勢は、今もこの番組に貫かれている。
『Sound Inn S』クリスマススペシャルはBS-TBSで12月18日(土)19時00分から、1時間拡大版でオンエアされる。なお、番組放送終了と同時に「Paravi」で未公開映像と共に独占配信される。