いつから夜通し寝られる?まとまった時間寝られるよう親ができること
赤ちゃんが産まれるとパパやママは慣れないお世話に昼夜問わず奮闘することになりますよね。疲れているから夜は寝たい…そんな親の願望をよそに、夜中も泣いて親を寝かせてくれない赤ちゃんたち。「いったいいつまで眠れないの…?」とげっそりしてしまっている方も多いはず。
そんな夜通し寝について、できるようになるのはいつからか、夜まとまった時間寝てもらうためにパパママができることはどんなことか、乳幼児睡眠コンサルタントのねんねママが解説していきます。
昼夜がわかるのはいつから?
生まれたばかりの赤ちゃんは、昼が起きる時間で夜が寝る時間であることを知りません。まずはこの地球のルールを覚えてもらうことが、夜しっかり眠るための第一歩となります。
おおよその区別がつくようになってくる(夜は起きても覚醒せずにまた眠り、昼は少し起きている時間が持てるようになる)のは早くて生後1ヶ月半、生後3ヶ月ごろまでにはみんな区別ができるようになってきます。
昼夜の区別を身につけるために必要なのは「昼は明るく、夜は暗く」過ごすことです。区別がつくまでは、日中にお昼寝をする際も真っ暗の寝室ではなく、明かりが入り、生活音も少々聞こえるような場所で寝かせてあげるとよいでしょう。
反対に夜は就寝1〜2時間前から明かりを落とし始め、寝る時には真っ暗(もしくは暖色系のライトを足元に置くだけ)で寝かせるようにします。授乳やおむつ替えの際も、夜間はできるだけ話しかけずにささっとお世話をして“今は寝る時間”という演出をしてあげましょう。
夜通し寝られるのはいつから?
夜間授乳をいつまでするかは非常に個人差の大きいところですが、生後6〜7ヶ月ごろに離乳食が2回食になってしっかり食べられるようになってくると夜間授乳での栄養が不要になってくることが多いです。
つまり、その頃になると夜通し寝られる可能性がでてきます。
夜間栄養が不要かどうかは個々の成長状況や離乳食の進み具合などにもよりますので、「◯ヶ月になったから夜間断乳をしよう」ではなく、小児科医など専門の方とご相談の上で決めていけると良いでしょう。
アプリ『ルナルナ』を運営する株式会社エムティーアイの調査によると「お子さんの夜泣きがおさまったのはいつごろですか?」という問いに対し、1 番多かった回答は「13カ月~18カ月」で31.5%、次いで「10カ月~12カ月」という結果でした。最も遅かった人は「4歳」という回答をしており、平均は「生後13カ月」という結果となっています。
生後6〜7ヶ月から夜通し寝られる可能性があったとしても、平均的に夜泣きがおさまったと感じられているのは「13ヶ月」であり、長い方は4歳という回答もされていることから非常に個人差が大きいことがおわかりいただけるのではないかと思います。
まとまって寝てくれるようになるための6つのポイント
①生活リズムを整えること
昼夜のリズムが掴めてきたら徐々に起床時刻と就寝時刻を統一して生活リズムを作ることを意識すると良いでしょう。寝る時間と起きる時間のリズムを体に刻み込むことは、夜しっかり眠るためにとても大切です。
いまバラバラになってしまっている場合は、まずは朝同じ時間に起こすことを意識してみましょう。朝方まで夜泣きをしていて、やっと寝てくれた…という朝もあると思いますが、そんな日も7時と決めたら7時に起こす!というのが大切です。起床時間を統一していくことが、就寝時間を統一することにつながっていきます。
②適切な昼寝をすること
「昼寝しすぎると夜寝られない」というイメージがあるかもしれませんが、適切な昼寝をとることは夜しっかり眠るためにとても大切なことです。
赤ちゃんはまだ体力がついていないので、おもちゃをながめたり、ミルクを飲んだりウンチをしたりという活動だけですぐに疲れてしまいます。その疲れた体のまま、寝ずに頑張って起きていると脳が疲れてしまい、ぐずりやすくなる傾向があります。そうなると寝ぐずりしたり、背中スイッチが入りやすくなったりなど睡眠トラブルの元となります。
連続で3時間以上お昼寝してしまっているときは、優しく声をかけて起こしてあげましょう。
月齢ごとの睡眠時間、昼寝の時間や回数は以下の表を参考にしてみてください。(※表はあくまで目安です。機嫌良く過ごせていればこの通りである必要はありません)
③寝る前にしっかり授乳すること
寝る前の授乳が足りていないと、夜間にお腹が空いて起きてしまうことも考えられます。夜間の授乳をなくしていくならば、日中に授乳や離乳食、麦茶や水などで栄養と水分が補給できていることが大切です。
寝る前にもしっかり授乳をしてあげましょう。明け方にどうしてもお腹が空いて起きてしまう子の場合、寝る前にバナナなど軽食をとることも有効です。
④安全で快適な睡眠環境を整えること
よく眠るために欠かせないのが睡眠環境の整備です。赤ちゃん自身も安心して眠れる、親も安心して目を離すことができる安全な環境をつくりましょう。顔が埋もれてしまうような掛け布団は置いていないか、転落の危険性はないかなど今一度確認してみてください。
また、暑さや寒さ、光、音などの刺激は全て赤ちゃんを起こしてしまう要因になります。できるだけ起きずに寝続けてもらうためには、こういった刺激を少なくしていくことも大切です。
特に光については、一筋の光の漏れでも反応して覚醒してしまう赤ちゃんもいます。豆電球や授乳ライト、カーテン・ドアの隙間からの明かり漏れなど、泣いている時に光っているものが見えていないか確認してみましょう。授乳ライトは足元やクッションの裏など、光源が直接見えないところに置いておくのがポイントです。
また、近隣の方の生活音や電車などの音が原因で起きてしまう場合、ホワイトノイズが有効です(アプリや専用のマシンなどで鳴らすことができます)。音を遮断する効果が期待できます。
⑤ねんねの納得度を高めること
「まだやりたいことがあった」「寝るつもりじゃなかった」そんな気持ちで寝かされた赤ちゃんはふと目が覚めたときに「寝てしまった!寝るつもりじゃなかったのに!」と泣いてしまいやすくなります。
そんな泣きを防ぐために大切なのがねんねの納得度を高めておくことです。具体的には就寝前のルーティーンを行い、赤ちゃん自身が「これから寝るんだ」「寝る時間だから寝よう」という意識が持てるように誘導していくことがコツとなります。できるだけ毎日同じ時間に同じ流れで就寝まで行動し、赤ちゃん自身が納得して眠りにつけることを意識しましょう。
幼児さんになって明確に「これをやってから寝たい!」という意思がある場合は、それを待つのも1つの手段。しかしすべてのお願いを聞いていると時間がずるずる遅くなってしまうので、どれを最後にするのか、両方はできないからどっちかを選んでどっちかは朝にしよう、など交渉をしていくことも大切です。
⑥入眠のクセをなくすこと
入眠のクセとは、おっぱいがないと寝られない、トントンしないと寝られないなどのように「これがないと寝られない」というものを指します。
例えば「おっぱいがないと寝られない」と思っているお子さんは、夜中に目が覚めるたびにおっぱいをもらわないと再度寝られないので、泣いてママを起こしているのです。クセをなくすことにより、この起きてしまったタイミングで自分で再度眠りにつけるように寝る力をつけてあげると夜通し寝ることに近づけます。
こういったクセを取っていくためには、ある程度親が主導して寝付き方を変えていってあげる方法が有効です。授乳ではなくトントンで寝かしつけをしてあげることによって変えていくことができることもありますし、場合によっては「ねんねトレーニング」と言われるようなトレーニングを推奨させていただくこともあります。
すべての場合でトレーニングが必要という事ではありませんが、短期間で改善していくためにはそういった手段が良い場合も多くあるので、「ねんねトレーニング?!無理無理!」と拒絶してしまうのではなく、家族の幸せのための選択肢としてぜひ知っていただき、検討の中に入れてみていただけたら幸いです。