レアル・マドリーの「危うさ」とジダンの謎。攻撃の軸と「中盤の圧縮」の重要性。
先を読むのが、非常に難しい。
ジネディーヌ・ジダン監督が率いるレアル・マドリーを「読み解く」のは、困難だ。ジダン監督は時に不可解な采配をする。それが結果としてプラスに働く場合もあれば、その逆もある。
■ジダンの謎
今季、ジダン監督が取り組んでいる課題の一つが、「カゼミーロ不在時の対処法」だ。
リーガエスパニョーラの初戦、レアル・ソシエダ戦でジダン監督はカゼミーロをスタメンから外している。カゼミーロがいない時のチームを用意しておく、という指揮官の狙いは見て取れた。
ジダン監督が選んだのは「形」で解決するパターンだ。【4-1-2-3】をやめて、【4-2-3-1】を使用する。それは理にかなったものだった。
だが、解せなかったのは、選手の起用法である。中盤にウーデゴール、クロース、モドリッチを組み込んだのだ。カゼミーロがいない中で、フィジカルベースが高く攻守においてハードワークを厭わないバルベルデも先発から外れた。
カゼミーロが不在なら、バルベルデとメンディの起用は必須だろう。
バルベルデは前線からの連動したプレッシングに参加でき、なおかつボランチのゾーンでボールを回収することもできる。カゼミーロほど「掃除」する能力は高くない。しかし、ウーデゴール、クロース、モドリッチ、イスコといった選手と比べれば、明らかに守備の能力は優っている。
メンディは1対1に強い。また、内側に絞り、相手のスルーパスをカットするのが非常に上手い。守備時に中央にポジションを取り3バック化することもできる。
これが、今季の「ジダンの謎」のひとつである。
■ビッグマッチ
ここからは、テーマを変える。ビッグマッチに焦点を当て、より詳細にマドリーのストロングポイントと課題を探っていきたい。
チャンピオンズリーグ・グループステージ第3節のインテル戦だ。この試合、【4-3-3】と【3-5-2】で、噛み合わせとしては悪くなかった。
ただ、問題は中盤のマークだった。ブロゾビッチ、ビダル、バレッラの3選手を、クロース、バルベルデ、カゼミーロが見る。とりわけ、アンカーのブロゾビッチを誰が見るかは試合のポイントになった。
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