金属製【湯たんぽ】を直火で加熱しても溢れさせない方法。キャンプ用コンロでも安心
『湯たんぽ』は冬のキャンプやアウトドアで使う暖房器具としては最強だと思います。
電気や燃料を使わずに焚き火や薪ストーブでお湯を沸かせば経済的で、シュラフの中に入れて使えば朝まで暖かさが持続するというメリットもあります。
特に直火が出来る金属製の「湯たんぽ」はヤカンからお湯を移し替える必要もありません。
ただ、金属製の「湯たんぽ」は、コンロで加熱すると注ぎ口からお湯があふれ出てしまうという欠点があります。
そこで、湯たんぽ の注ぎ口から お湯を溢れさせないようにする為のアイテムを作ってみました。
この記事では百均のアイテムを使って製作する『オーバーフロー漏斗』を紹介します。
お湯が溢れる
金属製(ブリキ製)の湯たんぽ を横から見た形状は、中央がまぁるく盛り上がっています。
そして、注ぎ口は端の方にあります。
なので、水を満タンに入れて水平にすると注ぎ口から水がこぼれてしまいます。
また、水を減らして火にかけても膨張したお湯が注ぎ口から溢れるんですよね。
原因は湯たんぽ の上部に溜まった空気が加熱されて膨張し、内部のお湯を注ぎ口から押し出しているのです。
ステッキゴムと漏斗
そこで、百均に売っていたステッキゴムキャップと漏斗を使ってオーバーフロータンクならぬオーバーフロー漏斗を製作してみました。
イメージ的にはこうです。
湯たんぽ内部の空気が膨張すると お湯が注ぎ口から溢れても漏斗の中でオーバーフローします。
すると空気も一緒に外に出ます。
すると、漏斗の中に溢れていた お湯が又湯たんぽ の中に吸い込まれていきます。
ステッキゴムキャップの加工
今回は百均のステッキゴムキャップを使用しましたが、直径約20mmの湯たんぽ の注ぎ口に合うゴム製のものなら何でも良いです。
まずは彫刻刀を使って漏斗を差し込む穴を空けます。
ちなみに素材がゴムなのでドリル刃では綺麗に穴をあける事は出来ません。
作業時の注意点としてゴムキャップは彫刻刀で一気に貫通させない事。
その理由は、ゴムキャップの内側には金属製のワッシャーが埋め込まれている為、勢いよく穴をあけると彫刻刀の刃を傷つけてしまうからです。
なので、彫刻刀でワッシャーの手前まで掘ったら、そこにドライバーなどを差し込んで貫通させ、ドライバーでワッシャーを外側に押し込むようにして取り除きます。
そして、キャップ表面のヒダ部分をカッターナイフで削り落とします。
次に湯たんぽ の注ぎ口のネジの奥行幅に合わせてカッターナイフでカットします。
ゴムキャップの先端が湯たんぽ の中に飛び出ていると空気がスムーズに排出されません。
これで、『オーバーフロー漏斗』の完成です。
コンロに湯たんぽ
ブリキ製の湯たんぽ をコンロで加熱する時に入れる水の量は水平にして溢れない程度にします。
そして、火にかけると直ぐに内部の水が漏斗の中に溢れ出ます。
これは、水より空気の膨張率の方が圧倒的に大きい為に起きる現象です。
湯たんぽ の上面に溜まった空気が熱で膨張して、注ぎ口から湯たんぽ内部の水が押し出されているのです。
そして、漏斗からブクブクと空気が出てくると、今度は漏斗に溜まった水が湯たんぽ の中に吸い込まれていきます。
それを何度が繰り返すと、お湯の体積も膨張するので一気に漏斗からお湯が溢れ出します。
溢れたお湯はシェラカップやクッカーで受けます。
ここで、耐熱グローブを着用して湯たんぽ を持ち上げます。
そして、石などの上に湯たんぽ の注ぎ口を上にして傾けると内部の空気が出て漏斗のお湯が内部に吸い込まれます。
その状態でシェラカップに溢れ出たお湯を湯たんぽ に戻して口栓をすれば完了です。
もし、湯たんぽ の容量に余裕があるならギリギリ一杯までお湯を追加してから栓をします。
最後に
湯たんぽ の形状によっては、この方法が使えない場合があるかも知れません。
もし、湯たんぽ の直火加熱で溢れてしまう問題に直面したら参考にしてみて下さいね。