LINE Pay 2025年4月に終了 ユーザーへの影響は?
6月13日、LINEヤフーはスマホ決済「LINE Pay」のサービスを2025年4月30日に終了すると発表しました。
同じグループ内で重複するPayPayへの統合が進むとみられます。ユーザーにはどのような影響があるのでしょうか。
2024年後半から段階的にサービスを終了
2019年にLINEとヤフー(Zホールディングス)が経営統合を発表したことで、LINE PayとPayPayは2021年からQRコード連携を始めるなど、両者は近しい関係にありました。
その後、2023年10月には「LINEヤフー」が発足。新銀行「LINE Bank」の開業計画を中止するなど、LINE側とヤフー(PayPay)側で重複する事業の再編が進んできました。
LINE Payの国内登録者数は4400万人(2024年5月時点)とのこと。実際に使っている人の数は、2024年3月時点で6.5%、メルペイに次ぐ7位(MMD研究所調べ、複数回答)との調査があります。
すでにLINEヤフーとしてはPayPayに軸足を移しているとみられ、PayPayアプリからLINEの友だちに請求できる機能も実現しています。とはいえ、LINE Payの利用者も一定数いることから、特設サイトを用意して移行を促していくようです。
各サービスは段階的に終了していく見通しとなっており、まずは2024年9月上旬に送金サービスが終了。11月下旬には「LINE Payアプリ」が終了します。
この時点でLINE Payの専用アプリは使えなくなりますが、その後もLINE Payの機能は「LINEアプリ」のウォレットタブからサービス終了までの間、利用できるとのことです。
このタイミングではLINE Payアカウントの新規開設も終了する予定です。誤ってLINE Payアカウントを解約した場合や、LINEの引き継ぎを失敗した場合にも新規開設ができなくなるとしています。
2024年12月下旬には本人確認サービスが終了する予定です。銀行振込や出金サービスを利用したい場合には、それまでに本人確認を済ませておく必要があるようです。
2025年1月下旬には、タッチ決済で3%還元が魅力のプリペイドカード「LINEプリペ(Visa)」が終了。そして2025年4月下旬には決済や出金、請求書支払いなど多くのサービスが終了する予定となっています。
その後もLINEブランドのクレジットカードについては有効期限まで使えるとのこと。LINE Payの残高については、PayPay残高への移行サービスを予定しているとしています。
やや気がかりなのは、LINE Payによる支払いや入出金、送金の履歴を閲覧する機能についても、2025年4月で終了してしまう点です。
LINEヤフー広報によれば、加盟店向けのページはサービス終了後も一定期間維持する予定とのことですが、一般の利用者向けには、払い戻し期間中の残高表示のみになるとしています。
確定申告などでLINE Payの履歴を振り返る必要があるときに不便が生じると思われることから、サービス終了後も当面の間は提供してほしいところですが、利用者側でも事前に保存しておいたほうが良さそうです。
LINE Pay終了で高まるPayPayへの期待
LINE Payのサービス終了後も、LINEユーザーによる送金や割り勘の需要は引き続きあると考えられるものの、PayPayとの微妙な距離感は気になるところです。
たとえばLINE Payのチャージ&ペイでは、三井住友カードを紐付けて使えるため、筆者は請求書支払いで三井住友カードの利用金額を増やしていたのですが、サービス終了で困ったことになりました。
また、LINE Payは家計簿アプリとして人気の「マネーフォワード ME」や「Zaim」との連携に対応しているのに対し、PayPayは対応していないといった指摘もあります。
海外で不便になるとの声も上がっています。台湾やタイにおけるLINE Payは継続されるものの、日本のLINE Payをそのまま使えるサービスは2025年4月で終了するようです。
PayPayは海外のQRコード決済との連携を進めており、日本のPayPay加盟店における海外サービスの利用は実現しているものの、PayPayの海外利用はまだ実現していません。
LINE Payのサービス終了までのスケジュールが明らかになったことで、PayPayへの期待も一段と高まることになりそうです。