ひと月1滴の雨すらなし…フランスで水使用制限始まる
屋外プールに閑古鳥が鳴き、夏野菜の価格が高騰するなど、東日本などは日照不足と低温の影響をもろに受けています。7月1日から15日までの東京の日照時間は5.6時間と、史上最も雨や曇りの多い7月前半となりました。
輝く太陽が恋しい日本と対照的なのが、フランスです。
記録的熱波と水不足
ここ一か月のあいだ毎日のように晴天と高温が続いています。6月後半には平均気温を10~15℃も上回るような記録的な暑さが続き、28日には南部ガラルグルモンテュで、国内史上最高気温となる45.9℃が観測されました。国内記録が更新されることも相当珍しいことですが、それ以上に驚くのが、この記録がまだ暑さのピークに達していない6月に出たことです。
さらに雨の少ない状態も続いています。例えばパリでは6月21日から雨が降っておらず、この時期としては観測の残る140年で最も雨の少ない状態となっています。
高温と干ばつの影響で、フランス南部では山火事が発生、ワイン用のブドウやトウモロコシなどの生産量も激減、さらに水が十分に確保できないことから原子力発電にも影響が出ているようです。
水の使用制限
こうした水不足を受け、フランス本土のおよそ3分の2に当たる地域で水の使用制限が始まっています。
さらに中部や東部(古城で知られるロワール地方、ワインで有名なブルゴーニュ地方を含む)では、最も深刻な「Crise (危機)」の状態で、農業用の水すらも制限されているほか、命にかかわる理由以外で自由に水が使えないのです。
夏の時期、フランスではこうした制限が設けられることがありますが、今回は例年にも増して厳しいとのことです。
再び記録的熱波か
このようにフランスでは熱波と少雨が人々の生活に大きな影を落としていますが、来週には再び記録的な暑さがやってくるようです。パリの23日(火)の最高気温は38℃と、平均を13℃も上回る予想となっています。
史上最も暑い6月
世界気象機関は、先月の全世界の平均気温が16.4℃と、140年の観測史上最も暑い6月となったと発表しました。ヨーロッパだけではなく、アラスカ・アンカレッジでも32.2℃と、観測史上最高気温が更新されました。さらに冬のオーストラリアでも、水不足のため6月から大規模な水制限が実施されています。