インスタ映えで丸亀の街に大行列を呼び起こした、お芋スイーツの専門店「いもまる」が開店２周年を迎えました。サツマイモのクリームをモンブラン状に絞り出すスイーツ「芋んぶらん」が大人気のお店です。女性客を中心に、根強い人気の秘密を探ってきました。

「絞り立て」を食べるエンタメ性

「芋んぶらんをお作りしていきます」。店頭のスタッフは声をかけると、専用カップにモンブランクリームを絞り出していきました。お客さんの目の前で展開される”絞り出し作業”にワクワク感が高まります。

「絞ることも含めて、すべてが芋んぶらん体験です。動画を撮影されるお客さんも多いんですよ」と責任者の谷渕ゆきこさんが教えてくれました。

いもまるは2021年８月の開店当初、インスタグラムの投稿をきっかけに人気が沸騰。休日ともなれば大行列ができ、購入までに時間がかかっていました。今は店頭の様子が落ち着いており、「お待たせすることなく、買い物を楽しんでもらえます」と谷渕さん。

売上のツートップは、「芋んぶらん」と「おいもプリン」です。それぞれ、美味しさの秘密を聞いてみました。

一番人気の「芋んぶらん」を筆頭に、いもまるのスイーツには、全て宮崎県内の農家が育てたサツマイモ「紅はるか」が使われています。ねっとりした食感が特徴で、とても甘いので砂糖はほとんど使っていないそうです。

「芋んぶらん」は、専用のカップに、底から冷たい焼き芋、ソフトクリーム、モンブランクリームが重ねられています。モンブランクリームには、焼き芋ペーストにカスタードクリームを混ぜて甘さを出しているそうです。

一番上のトッピングは、おいもチップスでサクサク感を楽しめる仕上がり。ご提供いただき味わってみたところ、全体的に砂糖をほとんど加えていないので、甘すぎず、それでいて、お芋の甘さは十分に楽しめました。お芋が好きな方は、ぜひ味わってみてください。一つ630円です。

「お芋という素材を使いながらも、アイスにしたことが正解でした。作り立てをその場で食べてもらえますし、『ソフトクリームが好き』と言っていただくことが多いです」と谷渕さん。

次に人気を集めているのが、おいもプリンです。焼き芋のペーストがたっぷり練り込まれており、食べたら「お芋だ」とすぐに分かるそうです。瓶の底には、カラメルに続いてお芋ペーストが少量敷かれているので、そこでもお芋の味を確かめてもらえます。一つ400円です。

「テストが終わった高校生が買いに来てくれたり、自分へのご褒美として買ってくれる場面も多いようです。おいもプリンは、贈り物にも選ばれています」と谷渕さんが教えてくれました。

自然な味わいで可愛く

いもまるは、「芋んぶらん」や「おいもプリン」など７つのアイテムでスタート。他に、「いもまるけんぴ」（350円）が人気を集めました。いもケンピといえば、砂糖で甘く仕上げるイメージですが、いもまるの場合は、甘さは加えておらず塩味で硬めのサクサクした食感。その新鮮さが受けて、外資系アパレル店「H&M」の香川出店時には来場者プレゼントのコラボ商品に選ばれたそうです。

新商品も出ており、中でも「お芋とチーズのテリーヌ」（１本1700円）が気になりました。ねっとりした紅はるかの特徴そのままに、食べてもらえます。なめらかさを追求した一品だそうです。

いもまるのスイーツたちは、食べて美味しいだけでなく、写真に映える可愛さも人気の理由。７〜８割は女性客という客層で、お芋スイーツ体験をインスタグラムに投稿してくれる人も多いようです。「金比羅山や父母が浜など、他のインスタ映えスポットと一緒に『いもまる』を回ってくれる人もいます」と谷渕さん。

また、「お芋を使った可愛いスイーツのお店を目指していたので、２年を経て、そんな姿になれたことは嬉しいです。『いもまる』の『まる』は、丸亀から名付けているのですが、地元の人に愛される店をこれからも育てていきたいです」と話していました。

これからの予定としては、年内に「いもまるけんぴ」の”骨付き鳥味”が登場するそうです。県外のイベントにも積極的に出店されていて、丸亀以外にもファンが増えているといいます。地元っ子としても嬉しいニュースでした。