【丸亀市】おしゃれな空間で”食と花”を楽しんで マム農家が営むカフェに、冬限定のスープ登場
マム(洋菊)の畑に囲まれたカフェが、インスタグラムで人気を集めています。丸亀市綾歌町のマム農家夫妻が、昨年6月にオープンしたカフェ「tutiru(ツチル)」です。スイーツやオープンサンドを楽しめるカフェとして、女性を中心に注目度アップ中。寒い冬の日にぴったりな季節限定のスープを紹介します。
スープが選べるブレッドボウル
パンの容器にスープが入ったブレッドボウルから、ふんわり湯気が立ち込めました。クラムチャウダー、ビーフシチュー、さつまいものポタージュの3種類から選べる季節限定のメニューです。「寒くなってきたので、よく選んでいただいています」と教えてくれたのは、カフェを営む鎌田典子さん。
鎌田さんのご厚意で、クラムチャウダーのブレッドボウルをご馳走になりました。ゴロっとしたジャガイモの存在感とトロトロの玉ねぎが食欲をそそります。飲むスープというよりは、とろりとした食感で「食べられるスープ」という印象でした。
器になっているパンは、ツチルの近くにあるベーカリー「にじいろベーカリー」で作られています。ハード系のブールというパンで、しっかりと噛みごたえは十分。スープを食べ終わると、ナイフとフォークを使ってパンを切り分けます。お昼前の取材でしたが、ちょうどよくお腹を満たしてくれました。
ブレッドボウルは、単品1000円です。プラス200円でサラダが付き、プラス100円でチーズのトッピングができます。一緒にドリンクを注文した場合は、ドリンク代が200円オフになります(他のメニューも同様)。
他に「器は食べられなくてもいい」という人には、スーププレートがあります。スープは、ミネストローネとさつまいものポタージュの2種類から選べ、サラダとバケットが付きます。単品900円です。
季節限定メニューの入れ替えなどは、公式インスタグラムで告知されるので、ぜひチェックしてみてください。
季節の果物のオープンサンドも
ツチルのコンセプトとして、鎌田さんは「見た目にもきれいで、思わず写真を撮りたくなるように、メニューには気を配っています」と話します。季節を問わずいつでも食べられる、りんごのコンポートとクリームチーズのオープンサンドも、そんな一品です。
りんごは皮ごとコンポートにされているので、栄養を丸ごといただけるのが嬉しいですね。オープンサンドは少し食べにくいのではないか、と思ったのですが、鎌田さんは「私も同じように感じたのですが、どなたもナイフとフォークを使ってきれいに食べてくださいます」と話していました。単品800円です。
他にも季節ごとに、桃やみかん、イチゴなど果物の内容を変えたオープンサンドが登場します。
休日にスイーツを楽しむ
土日になると、非日常的なカフェ空間でおしゃべりを楽しむ人で賑わいます。そんな時は、ツチルでしか食べられないスイーツがお供に選ばれることも多いとか。
入り口付近にある透明の円筒に、焼き菓子がディスプレイされていました。スコーン、パウンドケーキ、レモンケーキ、クッキーなど。鎌田さんがパティシエに依頼して、ツチルオリジナルのスイーツを作ってもらっているそうです。
ちなみに、ディスプレイのあるカウンターは、讃岐富士(飯野山)や丸亀城の石垣、そして、マム畑の畦をイメージしたもの。店の建物は、もともと倉庫として使っていたそうですが、リノベーションする際に、新たにカウンターを作ってもらいました。
ドリンクは、コーヒーや紅茶をはじめ9種類が揃います。鎌田さんは「コーヒーの美味しさにこだわったので、ラ・マルゾッコのエスプレッソマシンを準備しました」。イタリアにある高級エスプレッソマシンのメーカーなので、普段はあまり飲めない味が楽しめそうです。
ツチルのメニューは、午前9時半から午前11時までのモーニング以外は、すべていつでも注文できます。ただし、売り切れになる場合もあるので、予約や早めの来店がおすすめです。予約は、電話やインスタのダイレクトメッセージで受け付けられています。
「日常に花をプラスして」
ツチルのもう一つの魅力は、フラワーコーナーが併設されていて、手頃な値段で花が買えるところです。「自分たちで栽培した花なので、他よりも安く手に入ると思います」と鎌田さん。取材した日は、アネモネ80円、チューリップ130円、カーネーション130円など、色とりどりの美しい花が店頭に並んでいました。
綾歌町は菊の栽培で知られていますが、鎌田さん夫妻はビニールハウス26棟でマムなどを育てています。菊農家3代目の夫、康弘さんが、「これまでの菊のイメージを超えて、若い人にも支持される花を」と考えてマム栽培を始めたそうです。
通常は、大半が大阪の花市場に出荷されている鎌田さん夫妻の花たち。ツチルには丸亀市内で「鎌田さんの花が買える場所」という意味もありました。カフェを利用せずに、花だけ購入することもできます。「この花が1本ほしい」というリクエストにも応えてくれるそうです。
「土」と「散る」でツチル
ところで、ツチルという店名にはどんな思いが込められているのでしょうか。鎌田さんに聞くと、「土と散るを合わせた造語です。花は散るからこそ美しく、そして、土に戻って循環していく。訪れる人にとって、特別な空間になることを願って名付けました」と教えてくれました。
店内の各テーブルには、小さな花のアレンジメントが飾られていました。そして、嬉しいサービスとして、訪れた人に無料の花のプレゼントが用意されています。入り口のフラワーコーナーの一角に並んでいるので、スタッフにひとこと声をかけて持ち帰ってくださいね。
「マムという花の魅力を多くの方々に知ってほしいという願いを込めて、カフェを開きました。普段の暮らしで花を飾ることは、気持ちにゆとりを生み出してくれるのではないでしょうか。ツチルに来たら、食事とともに花にも親しんでほしいと思っています」。鎌田さんの思いです。
美味しいものと花の組み合わせは、自分へのご褒美にもぴったり。ツチルのように花のある空間を、自宅でも再現したい気持ちになりました。
基本情報
名称 : tutiru(ツチル)
住所 : 香川県丸亀市綾歌町富熊905−3
アクセス : JR丸亀駅から車で25分程度(駐車場あり)
時間 : 午前9時半から午後5時(午後4時半ラストオーダー)
定休日 : 祝日
電話番号 : 070-4721-5441
公式サイト