【丸亀市】「野鳥たちは何を想う?」 ”秋寅の館”でハヤブサなど野鳥の写真展、1月27日まで
ハヤブサの撮影では日本屈指! 丸亀市在住の野鳥写真家、福丸政一さんの写真展「福丸政一野鳥写真展2024 鳥の想い」が1月27日まで、通町商店街にある「まちの駅 秋寅の館」で開かれています。野鳥専門誌の表紙を数多く飾っている福丸さんの写真を楽しもうと、20年ぶりに開かれた写真展を覗いてきました。
ハヤブサを追って12年
「一番好きな野鳥は、ハヤブサです。自宅の近所にある採石場で許可をもらい、2004年から12年に渡ってハヤブサを撮影していました。険しい表情を見せるかと思えば、優しい顔のこともあって、とても魅力を感じます」
福丸さんにハヤブサを撮影してきた理由を聞くと、こんな風に教えてくれました。野鳥のことを語り始めると、会話が弾む福丸さん。訪れた人にも丁寧に、撮影時のエピソードを披露していました。
今回の写真展では、2006年から2021年にかけて撮影された作品20枚(A3サイズノビ)を展示。重い機材を持って、何日も何日も撮影場所に通ってやっと撮影できた作品ばかりです。中には、野鳥と目線を合わせるために福丸さんが腹ばいになった作品もあります。
ハヤブサだけは特別に4枚展示されていますが、他の野鳥たちは1枚ずつ厳選されたカットを鑑賞できます。どの作品も、野鳥が見せる一瞬の表情が切り取られており、見る人に「この鳥は、何を想っているのだろう」と思わせてくれます。
会場では、福丸さんの写真が表紙を飾った野鳥専門誌「BIRDER(バーダー)」を閲覧することもできます。中には福丸さんが執筆した記事があり、「ハヤブサが砂浴びする様子を捉えた貴重な写真」(福丸さん)も掲載されています。
珍鳥を捉えた作品も展示
ハヤブサ以外の野鳥の作品から2枚、紹介しましょう。
まずは、日本国内で撮影された事例が10件もないと言われているヤドリギツグミです。2020年3月に福丸さんが香川県内で撮影すると、県外からも多くの野鳥ファンがひと目見ようと集まったそうです。福丸さんも1か月ほど撮影を続けました。
展示されている作品は、ヤドリギツグミが姫踊り子草を見つめている構図です。その姿がとてもキュートで、鑑賞に訪れた人も「可愛いね」と口を揃えていました。
次に、福丸さんの誕生日に撮影されたオジロビタキです。ふっくらした愛らしい姿が、見る人をほっとさせてくれます。徳島県内で撮影されました。
他にも、コミミズクがキャベツ畑の中にいて、キャベツの葉っぱの虫食い穴から目を覗かせているユニークな写真など、ストーリーのある作品が展示されています。
「鳥たちの表情から想像が膨らむ」
35歳の頃から趣味で写真を始めたという福丸さん。最初は「カメラを買ったのはいいが、何を撮影しようか」と思案したそうです。近所のサギを撮ってみたところ、少しずつ上手に撮影できるようになり、どんどん野鳥に魅了されていった経験を聞かせてくれました。
「野鳥の表情から、どんなことを考えているのだろうという想像を巡らせるのが楽しいですね。今回、ハヤブサが空を仰ぎ見ているような作品を展示しているのですが、その姿から『ああ、子育てが終わったな』と思っているのではないかと想像しました」
展示作品には、撮影時のエピソードがそれぞれ添えられているので、ゆっくり読んでみると楽しいですよ。
福丸さんの本業は建築業で、仕事が休みの日や仕事が終わった後で写真撮影に奔走してきたそうです。一番好きなハヤブサの撮影は、「1年に200日ほど費やしたのではないか」とのことでした。
趣味から始めて、本格的な作品を撮影する写真家になった福丸さん。その作品と話から、「私も今年、好きなことをもっと頑張ろう」という気持ちになることができました。
基本情報
名称 : 福丸政一野鳥写真展2024 鳥の想い
会場 :まちの駅 秋寅の館(香川県丸亀市通町28)
アクセス : JR丸亀駅から徒歩5分程度(駐車場は、丸亀市営駅前地下駐車場やコインパーキングを利用)
期間 : 1月7日から1月27日、午前10時半から午後4時半(水曜は休館)
費用 : 入場無料
電話 : 090-3789-0230(福丸さん)
公式サイト