トレードで移籍した藤浪晋太郎は、どんな役割を期待されているのか
7月19日、ボルティモア・オリオールズは、オークランド・アスレティックスから藤浪晋太郎を獲得した。1対1のトレードだ。オリオールズからアスレティックスには、マイナーリーガーのリリーフ左腕、26歳のイーストン・ルーカスが移籍した。
オリオールズのブルペンには、40登板で45.2イニングを投げて防御率1.58のイェンニアー・カノーと42登板の45.0イニングで防御率1.00のフェリックス・バティスタがいて、それぞれ、22ホールドと26セーブを記録している。
ただ、リリーフ10登板以上で防御率3.60未満の投手は、この2人の他には、40登板の33.1イニングで防御率2.70の左腕、ダニー・クーロムしかいない。
オリオールズは、先発投手とセットアッパーの間をつなぐ、ブリッジの役割を担う投手の一人として、藤浪を獲得したと思われる。
6月以降、藤浪は17登板で19.1イニングを投げ、防御率3.26を記録している。引き継いだ走者13人のうち6人に生還されているが、直近の5人はホームを踏ませていない。また、このスパンの奪三振率は9.31、与四球率は2.79。6月20日以降の11登板は与四球ゼロだ。
もっとも、この投球がこれからも続くと確信するには、まだスパンが短いような気がする。8月1日のトレード・デッドラインまでに、オリオールズがブルペンに加える投手は、藤浪だけではないかもしれない。仮に、藤浪と新たに加わった別の投手が揃って好投しても、ブルペンの人員は余剰にはならない。ブリッジは強固になる。
とはいえ、オリオールズの次のターゲットは、先発投手だろう。10先発以上の5人中3人は、防御率4.70以上。防御率3.05のカイル・ブラディッシュと防御率3.54のタイラー・ウェルズも、実績のある投手ではなく、メジャーリーグ2年目と3年目だ。昨シーズン、メジャーリーグでは、117.2イニングで防御率4.90と103.2イニングで防御率4.25だった。
ここまで、オリオールズは58勝37敗(勝率.611)を記録している。7月19日には、タンパベイ・レイズを勝率で上回った。レイズは、開幕から13試合続けて勝ち続け、前日までは、ア・リーグ東地区の首位だけでなく、ア・リーグ勝率トップの座を明け渡したこともなかった。
また、オリオールズは、ワイルドカード・レースの4番手――ポストシーズン進出圏内のすぐ下――にいるボストン・レッドソックスに、8ゲーム差をつけている。
ちなみに、7月19日の試合では、5回表の2死から、クーロムが2.1イニング、カノーとバティスタが1イニングずつを投げ、3人ともロサンゼルス・ドジャースに得点を許さず、3点差を守りきった。
このまま、ポストシーズン進出なら、2016年以来7年ぶり。地区優勝を飾ると、2014年以来9年ぶりとなる。