バルサはコウチーニョを残留させるのか?ポジション変更で活路の可能性。
バルセロナが、フィリペ・コウチーニョを残留させる可能性が出てきている。新型コロナウィルスの影響で経済的な打撃は避けられない。ネイマールやラウタロ・マルティネスの獲得を検討しているバルセロナだが、キケ・セティエン監督はコウチーニョを構想に含めているようで、クラブとしてもコウチーニョを残すことを考慮し始めている。
コウチーニョは2018年1月の移籍市場でリヴァプールからバルセロナに移籍。2017-18シーズン開幕前にパリ・サンジェルマンに移籍したネイマールの代役を確保するため、バルセロナは移籍金固定額1億2000万ユーロ(約138億円)+ボーナス4000万ユーロ(約46億円)でコウチーニョの獲得を決めた。
だがコウチーニョは期待されていたような成果を挙げられず、今季開幕前にバイエルン・ミュンヘンに1年レンタルで放出された。バイエルン側に1億2000万ユーロ(約138億円)の買い取りオプションが付けられているが、それが行使される可能性は低く、この夏にバルセロナに戻る見込みとなっている。
■バルセロナの思惑
当初、バルセロナは今夏のコウチーニョ売却を目論んでいた。リオネル・メッシ、ルイス・スアレス、ウスマン・デンベレ、アントワーヌ・グリーズマンといった選手たちに加え、ネイマールやラウタロを獲得するかもしれない。そういった状況でコウチーニョに出場機会を与えるのは困難だと判断されていた。
9000万ユーロ(約103億円)前後でコウチーニョを売却するというのが、バルセロナの思惑だった。あるいは、再びレンタル放出して2020-21シーズン終了時に買い取り義務でコウチーニョを他クラブに完全移籍させる考えだった。
今季、バルセロナの予算のうち、61%が選手たちとコーチングスタッフの年俸に割かれている。UEFAとラ・リーガの規定で、その総年俸額は70%以下に抑えられなければならない。そうなると、コウチーニョの年俸1350万ユーロ(約15億円)、これもバルセロナとしては大きな負担となる。チェルシー、トッテナム、エヴァートン、ニューカッスルといったプレミアリーグの複数クラブがコウチーニョに関心を示しているが、現時点で具体的なオファーは届いていないようだ。
■「8番」というポジション
コウチーニョは、バルセロナでプレーした1シーズン半で、75試合出場21得点11アシストを記録した。バルセロナでは、エルネスト・バルベルデ前監督の下、主に左ウィングで起用された。メッシとジョルディ・アルバの関係性が構築された左サイドでのプレーは非常に困難だった。
キケ・セティエン監督は先日、コウチーニョを2020-21シーズンに向けた戦力として数えていると語った。また、バルセロナ指揮官はコウチーニョをウィングではなくインサイドハーフで起用する可能性を示唆している。
リヴァプールでは、モハメド・サラー、ロベルト・フィルミーノ、サディオ・マネの3トップと共存させるため、ユルゲン・クロップ監督がコウチーニョをインサイドハーフで起用していた。2017-18シーズン前半戦、そのポジションでコウチーニョは20試合出場12得点を記録した。
「11番」や「7番」ではなく、「8番」のポジションで再びバルセロナで勝負する。ブラジル代表においては、コウチーニョは若くから同世代のネイマールと共に次代を担う存在として将来を嘱望されていた。遠慮がちなヘニオ(天才)が、再び輝くのかーー。希望の光は、常にどこかに灯っている。