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まさかのサイレント廃止か!? 夏の「青春18きっぷ」発売の公式発表いまだなく、SNS上で募る不安の声

鉄道乗蔵鉄道ライター
青春18きっぷ(筆者撮影)

 JRグループが、春季、夏季、冬季の長期休暇期間に販売を行っている青春18きっぷ。全国のJR線の快速・普通列車の普通車自由席が乗り放題となるフリー切符であるが、夏季期間分の発売についての6月半ばになってもJRグループからの公式発表がないことから、SNS上では「青春18きっぷがこのままサイレント廃止になるのではないのか」などという不安の声が相次いでいる。

 例年であれば、夏季期間分については発売期間が7月1日から8月31日までで、利用期間は7月20日から9月10日までとなっている。昨年の2023年には春季分の発売日の直前となる2月8日に夏季分と冬季分の発売についてもJRグループから公式発表がなされていたが、今年2024年には1月23日に春季分の発表が行われたのみで、夏季分と冬季分の発売については公式発表がされていなかった。

東北地区の普通列車に使用される701系電車(写真:MaedaAkihiko CC BY-SA 4.0)
東北地区の普通列車に使用される701系電車(写真:MaedaAkihiko CC BY-SA 4.0)

年々ルールが複雑化する青春18きっぷ

 青春18きっぷは全国のJR線の快速・普通列車が乗り放題となるが、近年では整備新幹線の延伸開業にともなう並行在来線のJRグループからの第三セクター鉄道への経営分離により青春18きっぷの利用区間が徐々に狭められている。

 2024年3月16日に金沢―敦賀間が延伸開業した北陸新幹線では、同区間の在来線が第三セクター鉄道に経営分離され、石川県側はIRいしかわ鉄道に、福井県側はハピラインふくいの経営となった。

 これにより同区間は青春18きっぷの利用区間からは外れることになったが、ハピラインふくいの越前花堂駅から分岐する越美北線はJR西日本の経営のまま残ったことから、この路線の利用者への便宜を図るためハピラインふくいの敦賀―越前花堂間を途中下車せずに越前花堂駅でJR越美北線に乗り継ぐ場合にはハピラインふくいの運賃が不要になるといったルールが設けられた。

 こうしたルールは特に、新幹線の開業にともなってJRから第三セクター鉄道に分離された地域でよくみられ、青春18きっぷのルールは年々、複雑化していることから、青春18きっぷの行く末を危惧する声も一部では上がっていた。

かつては常備軟券と呼ばれる赤い券も販売されていた(筆者撮影)
かつては常備軟券と呼ばれる赤い券も販売されていた(筆者撮影)

SNS上に寄せられる不安の声

 こうしたことからSNS上には、

「いいですか、落ち着いて聞いてください。6月14日、金曜日の15時を過ぎてもJRグループから夏の青春18きっぷ発売リリースは発表されませんでした」

「サイレント廃止だけは避けていただきたいところ…まあ絡む三セクも年々増えてきて他事業者との協議も難航していたりするのでしょうか…?」

「まあ、来週中にJRグループがプレスリリース出なかったら、もう廃止と思って良いだろうな」

などという不安の声が寄せられている一方で、

「3月頃に何処かのネットメディアが夏と冬は発売しないのか?とJR東日本に問い合わせたら『今年度は夏も冬も発売する。春に関しては北陸地区改変があったのでで発表を前倒しした』との答えだった」

「いまだに公式発表のない青春18きっぷですが、JTB時刻表7月号の表紙にも『青春18きっぷ』の文字があります。単に発表が遅れているだけですかね」

と、発表が遅れているだけというコメントも寄せられていた。

 いずれにせよ近日中にJRグループからの公式発表があることを心待ちにしたい。

【2024年6月18日追記】
JRグループから夏の青春18きっぷ発売に関する公式発表がありました。

「青春18きっぷ」2024年夏季分は7月10日から発売! JRグループが公式発表

(了)

鉄道ライター

鉄道に乗りすぎて頭の中が時刻表になりました。日本の鉄道全路線の乗りつぶしに挑戦中です。学生時代はお金がなかったので青春18きっぷで日本列島縦断修行をしてましたが、社会人になってからは新幹線で日本列島縦断修行ができるようになりました。

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