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“窪塚洋介リスペクト芸人”バッドナイス常田が語る「思い続ける意味」

中西正男芸能記者
自身のYouTubeチャンネルが話題のバッドナイス常田さん

 窪塚洋介さんへのリスペクトを体現するピン芸人・バッドナイス常田さん(33)。5月からYouTubeチャンネル「バッツネVICE」を立ち上げ“窪塚洋介さんに憧れすぎなウーバー配達員”など窪塚さんへの思いを詰め込んだ動画が話題となっています。オンリーワンの道を邁進しますが、今考える究極の目標とは。

「水は流れてるからこそ腐らん」

 「かまいたち」さんとか「チョコレートプラネット」さんとか、ものすごく売れてらっしゃる方々もすでにYouTubeを精力的にやってらっしゃいますし、完全に乗り遅れてますからね。

 しかも、遅く始めたのに失敗するわけにもいかないという思いもあって、なかなか踏ん切りがつかなかったんですけど、懇意にしている放送作家さんから声をかけてもらって5月末から始めました。

 ただ、ずっと「とにかく動かなきゃ」という思いはあったんです。というのは、もう今から2年ほど前になりますけど、今田耕司さんに食事に連れて行ってもらった時に、ふと今田さんがおっしゃったんです。

 「水は流れてるからこそ腐らんねん。人間も一緒や」

 僕に説教をするとか、何かを伝えるとかそういうトーンではなく、独り言のようにおっしゃったんです。ただ、その言葉がずっと胸に刺さっていて、常に「自分は流れているのか」と考えてました。

 当時は仕事も減ってライブくらいしかやってなかった時期で、どうにかしないといけないという焦りはあるけれど、どうしたらいいのか見極められない。

 そんな思いをぶつけるようにYouTubeを始めたんですけど、今さらながら始めると、いくつも良い流れが生まれました。

ワクワクへの思い

 まず、出場資格の変更で今年から「R-1グランプリ」には出られなくなって、そこで一気に目標を失ったというのがあったんですよね。

 ネタを作っても、それをどこに出すのか。モチベーションが上がらなかったんですけど、今はYouTubeがあるので、そこに出すことで何かにつながるかもしれない。その感覚があるのが楽しいですね。

 もちろん最初から話題になるなんてことはなかったんですけど、二の矢、三の矢として出した窪塚洋介さんへの憧れを込めた動画に反響がありまして。本当にラッキーなことだと思っています。

 そもそも、窪塚さんを意識し始めたのは中学くらいからで、映画「ピンポン」を見てのめり込んだんですよね。

 僕がこの仕事をしている一番大きな要素は「人をワクワクさせたい」という思いなんですけど、窪塚さんが出てきたら、まさにワクワクするんですよね。

 「この人、何をするんだろう」「何を言うんだろう」という思いを作品の中でも、素の窪塚さんからも、すごく感じるんです。

夢のまた夢

 直接お会いしたことはなかったんですけど、今回YouTubeを始めて思いもよらぬ流れをいただきました。

 僕が窪塚さんに関するネタを配信していることを見てくださっている方が窪塚さん本人に伝えてくださったんです。窪塚さんがインスタライブをされている時に、そういう話をコメントとして書いてくださり、それを見た窪塚さんが興味を持ってくださるという流れで。

 インスタライブをされていたのは夜中で僕は寝ていたんですけど、知らない人からのダイレクトメッセージが何件も来て、それで目を覚ますとそんなことになってまして。

 そのままインスタライブの場を使って、あいさつをさせてもらったんですけど、ありがたいことにそこでお話もさせてもらって。こんなこともあるんだとつくづく思いました。思い続ける意味というか、つながるんだと。感動しましたね。

 「世の中が落ち着いたら、ご飯に行きましょう」と言ってくださったんですけど、もう、つながった時点で夢気分というか。本当に夢のまた夢ですけど、いつか、ご本人と一緒に自分がやっている“窪塚さんに憧れた男”のコントが出来たら最高ですね。

 共演コントが話題になったらですか?いや、もちろん、そうなったらうれしいですよ。でも、僕の中のカリスマなので、もしさせてもらうにしても、一回でいいです…。あんまりベタベタ近づくもんじゃないです。

 それが正解かどうかは分からないですけど(笑)、あくまでも憧れの存在として、遠くから見守っていたいというのが正直な思いです。

(撮影・中西正男)

■バッドナイス常田(ばっどないす・つねだ)

1988年4月5日生まれ。富山県出身。本名・常田功。ワタナベエンターテインメント所属。別のコンビでの活動、ピン芸人を経て、2015年からお笑いコンビ「バッドナイス」として活動を始める。19年、相方の引退によりピン芸人としてリスタートする。関根勤・関根麻里親子、斎藤工らファンを公言する芸能人も多い。映画「ピンポン」を見て以来、窪塚洋介に憧れを持ち、口調も窪塚に寄せたものとなっている。今年5月、YouTubeチャンネル「バッツネVICE」を立ち上げた。

芸能記者

立命館大学卒業後、デイリースポーツに入社。芸能担当となり、お笑い、宝塚歌劇団などを取材。上方漫才大賞など数々の賞レースで審査員も担当。12年に同社を退社し、KOZOクリエイターズに所属する。読売テレビ・中京テレビ「上沼・高田のクギズケ!」、中京テレビ「キャッチ!」、MBSラジオ「松井愛のすこ~し愛して♡」、ABCラジオ「ウラのウラまで浦川です」などに出演中。「Yahoo!オーサーアワード2019」で特別賞を受賞。また「チャートビート」が発表した「2019年で注目を集めた記事100」で世界8位となる。著書に「なぜ、この芸人は売れ続けるのか?」。

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1999年にデイリースポーツ入社以来、芸能取材一筋。2019年にはYahoo!などの連載で約120組にインタビューし“直接話を聞くこと”にこだわってきた筆者が「この目で見た」「この耳で聞いた」話だけを綴るコラムです。最新ニュースの裏側から、どこを探しても絶対に読むことができない芸人さん直送の“楽屋ニュース”まで。友達に耳打ちするように「ここだけの話やで…」とお伝えします。粉骨砕身、300円以上の値打ちをお届けします。

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