揺れる韓国サッカー界…パク・チソンら韓国代表OBが協会に苦言を呈する理由 #専門家のまとめ
2026年北中米W杯アジア最終予選が9月に迫るなか、大韓サッカー協会(KFA)が選んだ新代表監督は、Kリーグの蔚山現代指揮官のホン・ミョンボ監督だった。この決定を取り巻き、いま韓国サッカー界は大きく揺れている。元代表OBたちが相次ぎ、協会の内情について苦言を呈すなど混乱している。何が起こっているのか?
ココがポイント
▼KFAが7日、韓国代表の新指揮官にホン・ミョンボ監督の選任を発表。A代表の指揮は10年ぶりで2027年のアジアカップまで
・「自分を捨てた」という韓国代表監督選任の洪明甫、蔚山を離れた(中央日報)
▼元韓国代表で協会の戦力強化委員を務めたパク・チュホが自身のYouTubeサイトで代表監督選任の内情を暴露、KFAは法的措置も検討
・「次期代表監督を多数決で選出」「委員なのに洪明甫氏の内定知らなかった」 元代表・朴柱昊が大韓サッカー協会を批判(朝鮮日報)
▼元協会副会長のイ・ヨンピョは監督選任の手順を問題視。外国人監督招へいの失敗の連続は行政の実力と言い切り全体的な変化を主張
・李栄杓元協会副会長「洪明甫監督の選任過程はかなり問題…失敗繰り返せば実力」(中央日報)
▼パク・チソンは代表OBらの発言を擁護。チョン・モンギュ会長の進退について問われ「自ら選択しなければならない」と発言
・「悲しい。いつまでこんなことが続くのか」韓国代表の新監督を巡る“告発騒動”に英雄パク・チソンが苦言! サッカー協会を非難「システムがなければ人材が犠牲になる、残念だ」(サッカーダイジェストweb)
エキスパートの補足・見解
日本ではもう完全に忘れられているが、今月開幕するパリ五輪にサッカー韓国代表は出場できない。10大会ぶりに出場を逃し、KFA傘下の指導者協会は5月にチョン・モンギュ会長の辞任を要求。この時も同協会は代表監督の選任を計画的に行うように意見を出し、五輪出場権を逃したのはその場しのぎの人選に終始したからだと批判した。
A代表でもクリンスマン監督を1年で解雇し、その後は外国人監督の選任で話が進んでいたそうだが、戦力強化委員の存在や意見を一つに集約するシステムは皆無で、土壇場でホン・ミョンボ監督が選ばれた。
教訓を活かさず、チョン・モンギュ会長の鶴の一声ですべてが決まるような状況が“元凶”だとすれば、まずは組織や行政の改革が必要と主張する代表OBの話に耳を傾けるべきだろう。余談だが、3月に元日本代表で47歳の宮本恒靖氏が日本サッカー協会の新会長に就任したあと、韓国メディアは「KFAとは真逆で革新的」と皮肉たっぷりに報じていた。
いずれにしてもホン・ミョンボの韓国代表監督就任が正しかったのか、そうでなかったのは、9月から始まるW杯アジア最終予選の結果にかかっている。