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米女子最終予選会で韓国勢は一体何人が突破した?来季は日本勢の山下美夢有らと新人賞争いも

金明昱スポーツライター
米女子ツアーの最終予選を8位で突破したユン・イナ(写真・KLPGA)

 来季の米女子ゴルフツアー出場権をかけた最終予選会(Qスクール)で、日本勢が大躍進した。

 悪天候により順延となっていた10日の最終ラウンドを終え、トップ通過を果たしたのは通算27アンダーの山下美夢有。さらに岩井千怜が2位(21アンダー)、岩井明愛が5位(16アンダー)、吉田優利が9位(13アンダー)、馬場咲希が24位(6アンダー)で通過を果たした。

 新たに5人の米ツアーメンバーに加え、今季シードを獲得した古江彩佳、西郷真央、笹生優花、畑岡奈紗、渋野日向子、西村優菜、勝みなみの7人、今季国内開催の米ツアー「TOTOジャパンクラシック」を制して、米国行きの切符を手にした竹田麗央も加わると、総勢13人となる。

 これだけ多くの日本選手が米ツアーに出るのであれば、ゴルフファンにとっては来年の試合結果が毎回楽しみで仕方がないだろう。長らく米ツアーを席巻してきた韓国勢だが、この勢力図を日本が塗り替えるときが来ているとも感じる。

最終予選会を韓国勢は8人中、3人が突破

 今回の最終予選会にはもちろん、韓国人選手も出場していた。その数は8人で、来季の米ツアー出場権を得たのは3人だった。韓国勢のトップ通過は、通算15アンダーで8位のユン・イナ。次いで10位タイのパク・クムガン、13位タイのジュ・スビンが続いた。

 ユン・イナは今季韓国ツアーの大賞(年間女王)、賞金女王、平均ストローク1位の3冠を手にした実力者。2022年のツアーでの誤球プレーの不正行為で出場停止が続いていたが、今季は1年8カ月ぶりに復帰しながらも頂点に立った。米ツアー予選会前には「合格する自信はある」と語り、有言実行を果たした。

 現在、23歳のパク・クムガンは2019年の米ツアー最終予選会に初挑戦し、同2部ツアーで腕を磨いた。21年と22年には2部ツアー優勝も経験。22年の最終予選会は9位タイで突破し、23年は米ツアーでルーキーとしてプレーした。今回の最終予選突破も米ツアーでの経験が生きた。

 ジュ・スビンは04年生まれの20歳。22年に韓国でプロ入りし、同年の米ツアー予選会に挑戦。最終予選会で34位タイに入り、23年はルーキーとして米ツアーでプレーした。今回の最終予選会は、昨季米ツアーでの経験がアドバンテージとなり、見事に突破を果たした。

 これでがぜん楽しみなのは、来季米ツアーの新人賞争い。山下、竹田、岩井姉妹といったルーキーイヤーとなる日本の実力者たちに韓国ゴルフ界が期待する“年間女王”のユン・イナがどれだけ対抗できるのかに注目したい。

スポーツライター

1977年7月27日生。大阪府出身の在日コリアン3世。朝鮮新報記者時代に社会、スポーツ、平壌での取材など幅広い分野で執筆。その後、編プロなどを経てフリーに。サッカー北朝鮮代表が2010年南アフリカW杯出場を決めたあと、代表チームと関係者を日本のメディアとして初めて平壌で取材することに成功し『Number』に寄稿。11年からは女子プロゴルフトーナメントの取材も開始し、日韓の女子プロと親交を深める。現在はJリーグ、ACL、代表戦と女子ゴルフを中心に週刊誌、専門誌、スポーツ専門サイトなど多媒体に執筆中。

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