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学校内に親友がいると思っている人は87%…アメリカ合衆国の子供達の親友事情をさぐる

不破雷蔵「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者
↑ 単なる友達では無く親友と呼べる相手はいるのか否か。(写真:アフロ)

単なる近所付き合いのある人、同じ学校の同級生というだけでなく、長い時間をともに過ごし心から打ち解け合う立ち位置にある相手を「親友」と呼ぶことがある。英語では「close friend」と表記するこの関係の友達が、アメリカ合衆国の子供達において、どのような属性で存在しているのだろうか。同国の民間調査会社Pew Research Centerが2018年11月に発表した調査報告書「Teens' Social Media Habits and Experiences」(※)の内容から確認する。

次に示すのは各属性別に、該当するパターンの親友がいるか否かを答えてもらい、いるとした人の割合。親友がいなくても友達はいることが考えられるので、今件の結果に該当しない人はそのパターンの友達が皆無というわけでは無い。なお親友に関する具体的な解説は無いので、回答者が親友と判断したポジションの存在がいるか否かとなる。また、いる場合の人数は問われていない。

↑ 該当する属性の親友がいる(アメリカ合衆国、13~17歳、複数回答、属性別)(2018年)
↑ 該当する属性の親友がいる(アメリカ合衆国、13~17歳、複数回答、属性別)(2018年)

全体では学校内に親友がいる人は87%。他方、恐らくは多分に学校内の親友とだぶることになるのだろうが、異性の親友がいる人は61%。インターネット上で初めて知り合った親友は15%(その後リアルで対面したか否かは問われていない)。

男女別ではほとんど差異は無い。回答者の人種別では学校内の親友は白人が最も多く、異性の親友は黒人が多いものの、インターネット上で初めて知り合った親友は一番少ない。一方でヒスパニックは学校内や異性の親友は人種間では一番少ないものの、インターネットで初めて知り合った親友はもっとも多い19%となっている。人種別の付き合い方の傾向の違い、あるいは親友の判断の仕方の違いが見えて興味深い。

年齢階層別では学校内以外では年が上の方が値が高い。インターネットを利用する機会が増えた、異性を意識するようになったからだろうか。

世帯年収別では高世帯年収ほど学校内の親友が多く、インターネット上で初めて知り合った親友が少ないとの結果が出ている。リッチな家の子供ほど、リア充になりやすいというあまり笑えない結果とも評価できる(異性の親友ももっとも高世帯年収の層が一番値が高い)。

保護者の学歴別では学校内や異性に関する傾向は見当たらない。その一方でインターネット上で初めて知り合った親友は低学歴ほど高い値を示す。これは保護者の学歴そのものが影響していると見るよりは、それと深いかかわりあいのある世帯年収が影響していると解釈した方がよいのだろう。

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※Teens' Social Media Habits and Experiences

2018年3月7日から4月10日にかけてアメリカ合衆国に在住する13~17歳の男女に対してインターネット経由および電話による通話で実施されたもので、有効回答数は743人。国勢調査などの結果に基づきウェイトバックが行われている。なおソーシャルメディアの利用者は720人。

(注)本文中のグラフや図表は特記事項の無い限り、記述されている資料からの引用、または資料を基に筆者が作成したものです。

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(注)グラフ中の「ppt」とは%ポイントを意味します。

(注)「(大)震災」は特記や詳細表記の無い限り、東日本大震災を意味します。

(注)今記事は【ガベージニュース】に掲載した記事に一部加筆・変更をしたものです。

「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者

ニュースサイト「ガベージニュース」管理人。3級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。経済・社会情勢分野を中心に、官公庁発表情報をはじめ多彩な情報を多視点から俯瞰、グラフ化、さらには複数要件を組み合わせ・照らし合わせ、社会の鼓動を聴ける解説を行っています。過去の経歴を元に、軍事や歴史、携帯電話を中心としたデジタル系にも領域を広げることもあります。

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