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C・ロナウドとユーヴェが圧倒のセリエA報酬額ランキング、冨安健洋はリーグで何番目?

中村大晃カルチョ・ライター
8月30日、セリエA第2節スパル戦での冨安健洋。リーグでの報酬額順位は…(写真:Maurizio Borsari/アフロ)

サッカービジネスの巨大化は周知のとおりだ。それを如実に物語るひとつが、人件費だろう。

イタリア『ガゼッタ・デッロ・スポルト』が9月10日付紙面で、セリエA全20クラブの各選手の報酬額を報じた。全チームの支払い総額は、13億6000万ユーロ(約1611億5000万円)と過去最多を記録している。

選手サラリーの総額は過去6年で右肩上がり(図参照)。特にここ2年の伸び率が顕著だ。

9月10日付『ガゼッタ・デッロ・スポルト』紙参照、筆者作成
9月10日付『ガゼッタ・デッロ・スポルト』紙参照、筆者作成

クラブ別の内訳では、王者ユヴェントスが2億9400万ユーロ(約348億4000万円)とトップ。税引き前で3100万ユーロ(約36億7000万円)という破格の待遇であるクリスティアーノ・ロナウドの存在が大きいのはもちろんだ。

9月10日付『ガゼッタ・デッロ・スポルト』紙参照、筆者作成
9月10日付『ガゼッタ・デッロ・スポルト』紙参照、筆者作成

ただ、ユヴェントスにはC・ロナウド以外にも600万ユーロ(約7億1000万円)を超えるサラリーの選手が9名もいる。

800万ユーロ(約9億5000万円)のマタイス・デ・リフト、750万ユーロ(約8億9000万円)のゴンサロ・イグアイン、730万ユーロ(約8億7000万円)のパウロ・ディバラ、700万ユーロ(約8億3000万円)のアーロン・ラムジーとアドリアン・ラビオ、650万ユーロ(約7億7000万円)のミラレム・ピアニッチ、600万ユーロのドウグラス・コスタ、マリオ・マンジュキッチ、サミ・ケディラだ。

一方で、リーグ全体を見渡しても、他クラブで600万ユーロ以上の選手は750万ユーロのロメル・ルカク(インテル)、600万ユーロのジャンルイジ・ドンナルンマ(ミラン)とカリドゥ・クリバリ(ナポリ)の3選手しかいない。ユヴェントスの圧倒ぶりを物語る数字だ。

9月10日付『ガゼッタ・デッロ・スポルト』紙参照、筆者作成
9月10日付『ガゼッタ・デッロ・スポルト』紙参照、筆者作成

近年、経済力で他を寄せ付けなかったユヴェントスは、ピッチの上でも8年連続スクデット獲得と違いを見せつけてきた。アントニオ・コンテ監督の招へいやルカクらの獲得で対抗馬とみられているインテルや、カルロ・アンチェロッティ体制2年目のナポリは、この流れを止められるだろうか。

一方で、財力がすべてではないことを示しているのが、歴史的なチャンピオンズリーグ出場を果たすアタランタだ。200万ユーロ超えはおらず、100万ユーロ(約1億2000万円)を上回るサラリーの選手も7人しかいない。それでも、ジャン・ピエロ・ガスペリーニ監督の下で国内最高とも言われるサッカーを披露し、欧州最高峰の舞台への切符を手にしたことは記憶に新しい。

なお、ボローニャの冨安健洋は、チームの23人中16位となる60万ユーロ(約7100万円)。今回の調査で対象となった524選手中で299位タイだった。ちなみに、チーム最高額のマッティア・デストロは200万ユーロ(約2億4000万円)だ。

カルチョ・ライター

東京都出身。2004年に渡伊、翌年からミランとインテルの本拠地サン・シーロで全試合取材。06年のカルチョーポリ・W杯優勝などを経て、08年に帰国。約10年にわたり、『GOAL』の日本での礎を築く。『ワールドサッカーダイジェスト』などに寄稿。現在は大阪在住。

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