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ありがとう、日本! ツアーに込めたアトレティコ・マドリーの「感謝」とリーガ・エスパニョーラの「狙い」

浅野祐介ウォーカープラス編集長

「Cygames presents Special Match」が8月1日、ベストアメニティスタジアムで開催され、サガン鳥栖とアジアツアー中のアトレティコ・マドリーが対戦。1-1で90分を終えた試合は、PK戦を4-1で制したアトレティコが勝利を収めた。

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サガン鳥栖 1-1 アトレティコ・マドリー

(前半0-1、後半1-0、PK戦1-4)

得点者:18分 MF6コケ(アトレティコ・マドリー)、83分 オウンゴール(サガン鳥栖)

日本のファンへの感謝を語るシメオネ監督
日本のファンへの感謝を語るシメオネ監督

試合前のウェルカムパーティーで「日々リーガ・エスパニョーラで戦っているようなプレイを見せることをここに誓います」と語っていたディエゴ・シメオネ監督は試合後、「観客のみなさんが、暑い中で素晴らしい応援をしてくださったことに感謝している。本当に素晴らしいサポーターだと思う。サガン鳥栖は非常に良く練習しているチームであり、スピード感のあるチームだと感じた。チャンスと見れば果敢に攻めてくる、『勇気あるチーム』という印象を受けた」と、日本のファンへの感謝と鳥栖への賛辞を口にしている。

MOMに輝いたアトレティコ・マドリーのコケ
MOMに輝いたアトレティコ・マドリーのコケ

また、この試合で先制点を決め、マン・オブ・ザ・マッチに選ばれたコケは「難しい試合だった。とても蒸し暑かったが、僕たちは日本の試合環境に適応しようと努力しました」とコメント。続けて、「海外でたくさんのリーガ・エスパニョーラやアトレティコ・マドリーのファンを目の当たりにするたびに、自分たちが少しずつ成長していると実感できます」と遠征の意義を語った。

コケの言葉にもあるように、日本の暑さに加え、シーズン開幕前ということもあり、アトレティコの選手たちのコンディションは決して万全ではなかったものの、要所要所で見せる“さすがのプレー”は、2万人以上のサポーターが駆けつけたベストアメニティスタジアムに歓声を生んでいた。

今回、LFP(スペインプロリーグ機構)ワールドチャレンジプログラム・アジアツアーの一貫で来日したアトレティコ・マドリー。リーガ・エスパニョーラが世界ツアーを始めて今年で3年目を迎え、同リーグ副会長のクレメンテ・ビジャベルデ・ウェルガ氏は今回の来日にあたり「ツアーの本来の目的は、サッカーはもちろんのこと、リーガ・エスパニョーラのブランド力を活かして、スペインと日本のつながりをより高め、スペインの特産品や文化を日本に広めることができればと考えております。それが達成できれば本当に光栄なことです。ぜひ日本の多くの方々にスペインの文化を知っていただければと思います」との言葉を残している。

さらに、リーガ・エスパニョーラの戦略プロジェクト統括リーダーであるナチョ・マルティネス・トゥルージオ氏は今回のツアーの“狙い”を次のように語っている。

リーガ・エスパニョーラ戦略プロジェクト統括リーダーのナチョ氏
リーガ・エスパニョーラ戦略プロジェクト統括リーダーのナチョ氏

「サッカーという世界共通言語を通して、スペインの文化やブランドを日本に広め、両国の友情の懸け橋になれれば、それが本来の目的です」

では、なぜツアー先に日本を選んだのか? 彼の答えはこうだ。

「スペインが2010年のワールドカップで優勝したことで『スペイン=サッカー』というイメージが世界中の人たちに刻み込まれました。このイメージは非常に素晴らしいものですが、スペインにはサッカー以外にも素晴らしい文化や産品があります。スペインと日本は長いつき合いのある国であり、友である以上、私たちの国にあるイイものを提供したい!シェアしたい!という思いでいっぱいです」

「サッカーというのはただのエンターテインメントというだけではなく、いろいろな要素が中に含まれているので、多数の可能性があると考えます。来年度からは大使館や(スペインの)経済相と連携をとって、もっとスペインというブランドを日本の方々に提供したいと考えています」

「私たちは長年、日本サッカーのパートナーとして参画したいと考えていました。スペインでは子どもの時からサッカーを通して教育をして、ただ“良い選手”になるだけではなく、“良い人間”になるためにサッカーを活用しています。子どもたちが必要としているものを尊重しながらも、サッカーを通して成長させる大切さをヒシヒシと感じています。日本のみなさんには、ただ私たちの経験を教えるのではく、直に見ていただいて、感じ取っていただき、リーガ・エスパニョーラというもののファンになっていただければと思います。そのためにも来年は佐賀ではないかもしれないですが、日本の他の街で同じようなイベントを行って、リーガ・エスパニョーラのファンになっていただければと思います」

鳥栖との試合前日には、佐賀県内の子どもたちを対象にしたサッカークリニックも開催したアトレティコ・マドリー。短い滞在期間ながら、日本のファンにもたらしたものは少なくないはずだ。ナチョ氏の言葉に期待しつつ、また来年の再会を心待ちにしたい。

ウォーカープラス編集長

編集者/KKベストセラーズで『Street JACK』などファッション誌の編集者として活動し、その後、株式会社フロムワンで雑誌『ワールドサッカーキング』、Webメディア『サッカーキング』 編集長を務めた。現在は株式会社KADOKAWAで『ウォーカープラス』編集長を担当。2022年3月にスタートした無料のプレスリリース配信サービス「PressWalker」では、メディアの観点から全プレスリリースに目を通し、編集記事化の監修も担当。

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