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エンジェルスの新クローザー候補は、最速100マイルのハードボーラー。2年1350万ドルで契約

宇根夏樹ベースボール・ライター
カルロス・エステベス Aug 12, 2022(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 ロサンゼルス・エンジェルスは、カルロス・エステベスと2年1350万ドルの契約を交わした。

 エステベスは、ドミニカンのリリーバーだ。今月下旬に30歳の誕生日を迎える。2011年のプロ入りから今オフにFAとなるまで、コロラド・ロッキーズに在籍していた。

 昨シーズンは61.2イニングで防御率4.38、今シーズンは57.0イニングで防御率3.47を記録した。それぞれの防御率は、打者天国のクアーズ・フィールドを除き、アウェーに限っても、ほとんど変わらない。また、どちらのシーズンも、奪三振率8.80未満と与四球率3.00以上だ。ゴロ率が高いわけでもない。

 ただ、スタットキャストのデータによると、今シーズン、全投球の70.6%を占めた4シーム――そこにスライダーとチェンジアップを交える――の平均球速は、97.5マイルだった。これは、4シーム、2シーム、カッター、シンカーの速球系が500球以上の301人中、20位に位置する。ちなみに、すぐ下の21位は、平均97.4マイルのジョシュ・ヘイダー(サンディエゴ・パドレス)だ。ヘイダーの最速は99.9マイルのシンカーだったが、エステベスは、100.9マイルを筆頭に、100マイル以上の4シームを22球投げた。

 また、エステベスの防御率は、今シーズンの前半戦と後半戦で大きく異なる。それぞれ、5.17と1.40だ。奪三振率は7.76→9.47と上がり、与四球率は4.60→2.45と下がっている。

 エンジェルスは、来シーズンの年俸総額がすでに今シーズンと同水準、あるいは今シーズンよりも高額に達している上、球団を売りに出していて、先行きは不透明だ。この状況のなかでは、悪くない補強だろう。

 シーズンを通してクローザーとして投げたことはなく、シーズン最多セーブは2016年と2021年の11だが、現時点では、ジミー・ハーゲットライアン・タペーラホゼ・キハーダエアロン・ループらを凌ぎ、クローザーの筆頭候補だと思われる。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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