ブラジル市民抗議デモ、6月の自動車販売に悪影響及ぶ
ブラジル国内で猛威をふるっている市民抗議デモの悪影響が自動車産業に及んでいる。ブラジル自動車工業会(ANFAVEA)によると、6月の自動車販売台数(バス・トラック含む)は前月比3.9%増の26万6000台、このうち、乗用車・軽商業車は同4.1%増と、前月比で増加しているものの、前年同月比では13.9%減と大きく落ち込んでいる。オ・エスタド・ジ・サンパウロ紙(電子版)が26日に伝えた。
また、6月の1日平均の自動車販売台数を見ると、前月比3.9%増の1万5704台となった。しかし、地場調査会社LCAコンスルトーレスは、市民抗議デモが全国各地に拡大した17日以降では、デモが激化する前の3‐14日と比べると、1日平均の販売台数は12%も減少したと指摘している。
LCAのエコノミスト、ロドリゴ・ニシダ氏は、「この12%の減少は市民抗議デモの影響を受けた可能性が高い。消費者の信頼感をすでに低下させており、直接的な影響として、店舗や役所の出先機関などが閉鎖されている」と述べている。
ただ、ANFAVEAのルイス・モアン新会長は、今のところ、こうした事態はいずれ解消されるとし、今年全体の自動車販売台数の前年比3.5‐4.5%増の397万台という従来予見通しは変えない。しかし、同会長は6月以降、販売台数の伸びは鈍化すると予想している。
市民抗議デモは26日もFIFA(国際サッカー連盟)コンフェデレーションズカップ・ブラジル2013のブラジル対ウルグアイの準決勝戦が行われたミナスジェライス州の州都ベロオリゾンテで、5万人規模に達した。デモ隊は試合会場周辺にも押しかけ、警官隊に向けて花火を投げつけたり、投石を行ったため、約5000人の治安警官隊が催涙弾やゴム弾で応戦して激しい衝突となった。 (了)