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2年続けて日本シリーズMVPは3人。今年はグラシアルにチャンスあり

宇根夏樹ベースボール・ライター
ジュリスベル・グラシアル MARCH 3, 2017(写真:長田洋平/アフロスポーツ)

 これまでに、日本シリーズでMVPを受賞した選手は、延べ71人を数える。1950年から昨年までに行われた日本シリーズは70回。これから始まる今年の日本シリーズは71回目だが、13回目の1962年は、東映フライヤーズの土橋正幸種茂雅之が同時に受賞した。

 2度以上、日本シリーズMVPを手にしたのは7人。長嶋茂雄が4度、他の6人は2度ずつだ。彼らのうち、異なる球団の選手として受賞したのは、秋山幸二だけ。1991年は西武ライオンズ、1999年は福岡ダイエーホークスにいた。現時点では最後の7人目、今江敏晃は、2005年と2010年に受賞した。

筆者作成
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 今年は、福岡ソフトバンクの甲斐拓也ジュリスベル・グラシアルが、そこに加わる可能性を持つ。この2人は、過去2年の日本シリーズでそれぞれMVPに選ばれた。グラシアルの場合、今年も受賞すると、長嶋(1969~70年)と堀内恒夫(1972~73年)、工藤公康(1986~87年)に続く、史上4人目の連続受賞となる。

 過去に日本シリーズでMVPを受賞した現役選手は、甲斐とグラシアルの他にも何人かいるが、いずれも今年の日本シリーズには出場しない。

 内川聖一(2014年受賞)とデニス・サファテ(2017年受賞)は福岡ソフトバンクに在籍しているものの、甲斐とグラシアルと違い、今年の日本シリーズの出場資格者名簿に入っていない。

 また、岸孝之(2008年受賞)は東北楽天ゴールデンイーグルス、内海哲也(2012年受賞)は埼玉西武ライオンズ、李大浩(2015年受賞)はKBOリーグのロッテ・ジャイアンツ、美馬学(2013年受賞)とブランドン・レアード(2016年受賞)は千葉ロッテマリーンズにいる。この5人が在籍しているのは、いずれも日本シリーズMVPに選ばれた当時とは違う球団だ。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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