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トップクラス激突! 8月31日、将棋日本シリーズ2回戦・渡辺明九段-豊島将之九段 #専門家のまとめ

松本博文将棋ライター
(記事中の画像作成:筆者)

 8月31日。広島県広島市・広島サンプラザホールにおいて第44回将棋日本シリーズ・JTプロ公式戦2回戦、渡辺明九段-豊島将之九段戦がおこなわれます。

 過去の優勝回数は、渡辺九段、豊島九段ともに3回。現代を代表する、トップクラス棋士同士の対戦といえるでしょう。

 勝者はベスト4に進出。準決勝で稲葉陽八段と対戦します。

ココがポイント

▼現地での公開対局が本棋戦の大きな特色。しかし今回は無観客。対局はいつも通りネットで中継される。

▼8月27日・28日、兵庫県神戸市・有馬温泉で藤井聡太王位と王位戦第5局を戦っていた渡辺明九段。早めの移動で広島に。

▼渡辺九段はシードで2回戦からの登場。豊島九段は1回戦で糸谷哲郎八段に勝利。

エキスパートの補足・見解

 全国各地で、多くの観戦者を集めておこなわれる本棋戦。過去にはやはり台風の影響を受けた例がありました。2006年9月、福岡で開催予定だった2回戦の森内俊之名人-三浦弘行八段(肩書は当時)戦は台風のため中止となり、後日、東京・将棋会館で指されました。(筆者はそのとき、特別におこなわれたネット中継を担当しました)

 プロ公式戦の前に、テーブルマークこども大会が大々的におこなわれるのも大きな特長です。しかし残念ながら、こちらも台風の影響により、中止となりました。

 渡辺九段と豊島九段は棋聖戦五番勝負や名人戦七番勝負など、数々の名勝負を繰り広げてきました。本棋戦では2020年、21年と続けて準決勝で対戦し、いずれも豊島九段が勝っています。直近、8月15日におこなわれたA級順位戦では渡辺九段の勝ちでした。これまでの対戦成績は、渡辺24勝、豊島18勝で拮抗しています。今回もハイレベルな熱戦が期待できるでしょう。

将棋ライター

フリーの将棋ライター、中継記者。1973年生まれ。東大将棋部出身で、在学中より将棋書籍の編集に従事。東大法学部卒業後、名人戦棋譜速報の立ち上げに尽力。「青葉」の名で中継記者を務め、日本将棋連盟、日本女子プロ将棋協会(LPSA)などのネット中継に携わる。著書に『ルポ 電王戦』(NHK出版新書)、『ドキュメント コンピュータ将棋』(角川新書)、『棋士とAIはどう戦ってきたか』(洋泉社新書)、『天才 藤井聡太』(文藝春秋)、『藤井聡太 天才はいかに生まれたか』(NHK出版新書)、『藤井聡太はAIに勝てるか?』(光文社新書)、『棋承転結』(朝日新聞出版)など。

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