そこは名所か？それとも心霊スポットか？横手の『滝ノ沢霊場』とは？

横手市で唯一名勝地として文化財に指定されている景勝地、滝ノ沢。……と横手市のホームページには記載されているが「今度の休みに滝ノ沢霊場行ってみない？」なんて会話をしているひとなど見たことがない。ネットでは「夏に訪れてみたいリフレッシュスポット」として紹介されている一方、「心霊スポット 横手」で検索してみると『滝ノ沢霊場』がっつりヒットする。

そこは横手の隠れた名所か？それとも近寄っちゃいけない心霊スポットか？ベールに包まれたままの『滝ノ沢霊場』の記事を書くため、私は車を走らせた。

『滝ノ沢霊場』は横手駅から車でおよそ20分、横手市立横手南小学校近くの細い道路を東に向かった先にある。進んでいくとやがて道はオフロードに。対向車が来たらどうする？そんな思いを胸に車を走らせると、小さな道石が見えた。

滝ノ沢まで1.5キロと記された道石を頼りに車は山道をさらに進む。かなり山を登った気もするが滝が見える気配はない。そう、私は迷ったのだ。時刻は夕方。ここで遭難したら人生の終幕だ。そんなことを考えていると前方から対向車がやってきた。

対向車の方が少しだけ広いスペースまでバックしてくれたおかげで、なんとかギリギリすれ違うことに成功。ついでに犬を連れたご主人に『滝ノ沢霊場』の場所を尋ねたところ、予想通り私は通り過ぎていたようだ。

「ここから少し戻ると公衆トイレがあるから、そこからは歩きだね」

間抜け顔で山を下る私。横手市唯一の名勝地までの道のりは思いのほか険しい。

滝に打たれる観音様！横手で唯一の滝を拝める『滝ノ沢霊場』とは？

親切なご主人に教えてもらった通り、公衆トイレに到着。車を置いて、ここからは歩いて滝を目指すことに。

滝までの道中は気をつけないとガチで事故りそうな山道である。途中、山道の脇には沢が流れていた。たしかに夏の清涼スポットと言えなくはないが、虫が多いのが難点だ。

公衆トイレから歩くこと5分、ついに滝が……。

よく見ると岩陰で小さな観音様が滝行をされている。派手さはないが、どこか神秘的な滝だ。先ほどまで、この『滝ノ沢霊場』の記事を書こうと思った自分を軽く憎んでいたが、滝を見ていると心が洗われるような気がしてくるから不思議だ。

滝を拝んだ後は、日が暮れる前に来た道を急ぎ足で引き返す。ここで夜を迎えたら、大人でもきっと泣いてしまうだろう。

さて、今回が私が訪れた横手の景勝地・滝ノ沢霊場。そこは名所か、それとも心霊スポットか。検証した結果、生粋の滝マニアにはおススメだが、不気味で足場も悪くついでに虫も多いためデートで女子を連れてきたら往復ビンタを食らうレベルなので要注意だ。

それでも興味のある方は、清涼スポットの側面もあるため横手唯一の滝を見に足を運んでもらいたい。くれぐれも事故には気をつけて。